ガチ星の作品情報・感想・評価

ガチ星2018年製作の映画)

上映日:2018年05月26日

製作国:

上映時間:105分

あらすじ

元プロ野球選手が戦力外通告。パチンコや酒に溺れ、妻子と離れてゲス不倫ーーー。崖っぷちの主人公が、再起をかけて挑むのは「競輪」! 過去の栄光が通じない世界に飛び込む主人公の前に立ちはだかるのは、過酷なトレーニングと20歳以上も離れた若者たちの冷ややかな視線。そして、自堕落な生活が染み付いてしまった“自分自身”だった。

「ガチ星」に投稿された感想・評価

NOOO000ooo

NOOO000oooの感想・評価

4.5
「マダオ映画」に流行の兆しなんて記事を読んだけど「マダオ映画」って「ま」るで「だ」めな「お」っさん映画のようです。

競輪学校の鬼教官が「もがけ」とシゴキ倒すように底辺でもがいているマダオ映画なのは間違いないのだけど、自分としては「まるでダメなおっさん」なんて切り捨てることは出来ない。劇中のまだ挫折を知らない若造がマダオを理解できないように、あるいはレビューで一言「クズ」と切り捨てることができる人のように、僕もマダオを理解できずに大人になるという選択肢も親は用意してくれていたんだけど。
多分、映画なんて見てないでそれなりに勉強して、それなりの大学を卒業して、それなりに安定した会社に就職して、それなりの給料をもらい、結婚して子供が出来て家を買って。。。そんな風波の立たないそれなりに順風満帆な人生を生きれたら、一生マダオのように底辺でもがいている人の痛みに想いを馳せるタイミングなんて訪れないのかもしれない。

実際、この映画で描かれるように、プロ野球選手は小さい頃から野球だけで潰し効かない人が多いのだろうし、若い時ちやほやされたけどセカンドキャリアで新しい曲線を描けず燻ってる人は多く、自分もかつてそうだったように、肉体労働しながら「こんな人生のはずじゃなかった」と自暴し、他人や世間に対して「ツケ」が溜まっていくんだよね。
これは、溜まったツケを完済した上でさらに乗せていく物語だよなと思うのだけど、特に人の心や失った信用を取り返すには、借金と一緒で金利が乗っかってるから実際に借りた金額以上の努力が必要で、さらに良くも悪くも雪だるま式に膨らむんだよ。お金も人の心も。

とにかく僕にとっては子供とのやりとりだったり、元嫁からのメールだったり。。。目を背けたいほど痛すぎて心を掻き毟られちゃう映画であり、そこは静かに怒って欲しかったとか、レースシーンは少しチープに感じるとか減点材料はあるもののほぼ最高な作品だったし、人は底辺を経験した方が人の痛みがわかって優しくなれるというように、圧倒的に優しさに溢れた映画だったと思う。監督さんは立派なマダオで底辺を味わい尽くしたのだろうと思わされるし、主役の安倍さんもそうなのだろうと思わされる迫真の演技だった。
最高にダメな男の最高な生き方。
人生って?生きるって?
言葉で語るほど陳腐なことを言ってしまいそうになる不思議な作品。
本当に見て良かったと思える映画。
数年前に放映されていた、KEIRINのCMと同じような匂いがする。
yrksch

yrkschの感想・評価

5.0
💘

すーごいいい映画。

最終レースのところで胸打たれる。
背負うもん背負って闘う人の強さと、
それでも全員が勝つわけじゃないこと、
それでももがき続けること、

全部を一気に叩き込まれる映画。いい!
tomomin

tomominの感想・評価

4.0
最悪で最高なダメ男を見つけた!

人としては最悪だけど、
役者としては最高!!

この人のお芝居をもっと観たい!
そう感じる役者に出会えた!!

この映画、まわりの役者も
全体的にみんなお芝居良くて。
グッときた!!
上映後、主役の安部さんのお話を聞けたので更に映画が深掘りできてとても楽しめた。元気をくれる映画。
wadanori

wadanoriの感想・評価

5.0
2016年5月に小倉メディアドームのガチ星フェスで観てあまりの凄絶さ凄さに圧倒され、それ以来福岡国際映画祭、湯布院映画祭、徳島映画祭と映画祭のたびにガチ星を観にいって、応援していました。

まずもう主人公濱島のサイテーぶりが最高なのですよ。二日酔いで自転車?弟の健康保険証借りて?ゲス不倫?まるでピノキオのような刹那的行動。脚本家金沢さんが長年あたためてきたネタを次々にブチこむ笑劇の連続。

一方でライバル久松の涙なくしては語れない人生ドラマ

更には濱島の親友の人妻麻美、ブリ大根をねだる誘惑の瞳は映画史上にのこる名シーン?6月10日に出演者によるトークショーもあったのですが、濱島の奥さん役だった林田さんも麻美のシーン絶賛!

鬼教官矢山の存在感がスポーツ根性ドラマとしても盛り上がって、下町のラーメン屋店主がド根性ガエルの梅さん的で昭和がデジャブー
語ればきりがない映画史上にのこる傑作と確信して強くお薦めしたい。
MissY

MissYの感想・評価

5.0
やっと見ました、小倉昭和館で。ドラマでオンエアされた時、取り敢えず録画しておいたんだけど消してしまった大馬鹿者の私。今回も、NHK福岡のシナロケのドラマで鮎川誠を演じた福山翔大が出ていなければ見なかったであろう男臭い映画。でも、見て良かった〜!!泣いた〜!冒頭で鬼教官が「もがけーっ!!」と怒鳴りますが、あれは、先日、NHK北九州のローカルニュースに監督がゲストで出てインタビューでおっしゃってましたけど、競輪の用語で、あの自転車漕ぐ動きを「もがく」と言うらしいです。もちろん、そこに「あがく」といった意味合いの、もがくも引っ掛けてあるんだけど。主人公のダメっぷりが、本当リアルで痛くて。復帰するかと思ったらまたグダグダと(苦笑)。そのクドイほどの展開があったからこそ、最後が感動でした!!映画館出た後、シロヤのサニーパン買って帰りました!
主演俳優の安部賢一さん、今のインタビュー映像を見ると、映画ポスターとは別人のようなシュッとしたイケメン!!小倉昭和館で監督と一緒に舞台挨拶された時、仕事の都合で行けなかったのが、ものすごく悔やまれます。見たかったー!!今後のご活躍を応援しています!!
nagisa

nagisaの感想・評価

4.6
180613 K's cinema
まだまだ上映しています。
主役の濱島(安部賢一)がとにかく良い。
素晴らしい作品に出会いました。
Nami

Namiの感想・評価

3.6

とにかく苦しい

主人公のだめ加減、
そんな自分にもがく姿
ほんとに苦しかった

きっと自分にもこんなところあるから
余計に苦しくなるんだろうなあ

最後の回想のところは若干???だったけど、

仕事がんばろーーー
精一杯生きよーーー
KKMX

KKMXの感想・評価

4.8
ダメ中年の再挑戦と再生をとても誠実に描いた秀作。ものすごく良かったです。胸を打たれました。

元プロ野球選手で10年以上前に戦力外通告を受けてから完全に転落した主人公・濱島は、パチ屋と酒に逃げる・実家でクダを巻く・友人を裏切る等、数え役満のようなダメ中年。妻子にも逃げられ、ひとり息子には慕われているものの、もちろん彼にちゃんと向かい合えない。現役時代と同じ茶髪を中年になっても続けており、それがメチャクチャ汚らしくて、彼の内面を表現しています。惨めな甘ったれ中年、それが濱島です。

この濱島の造形がすごくリアルでした。彼はかつてスポーツエリートとしてチヤホヤされ、いい車に乗ったりしてました。そんな過去の栄光が忘れられないので、それにしがみついて新しいスタートを切る気持ちが生まれない。なぜならば、もう二度と輝かしい日々は戻らないことを理解しており、絶望があるからです。
ただでさえ中年以降の再スタートは、将来の可能性がかなり限定されます。わかりやすいバラ色の結果は九分九厘手にできないでしょう。長い時間堕落した生活を続けているとますます焦るものの、簡単にドロ沼からは抜け出せません。頑張っても未来がないから頑張る気持ちも生まれない。変わりたくとも、こんな生活止めたくとも簡単には変われないし止められないのです。この変われなさがリアル!痛い!

息子についた嘘をきっかけに、年齢制限のない競輪選手を目指す濱島。この競輪学校での濱島の態度がまた痛いんですよね。年下に威張り散らすとか、人としてダメな感じがリアルです。過去しかないから威張るしかない。ボロクソにしごかれるシーンも、濱島の態度を見ると同情や共感は難しいです。再チャレンジしているものの、謙虚ではないですから。あのシゴきは、濱島の傲慢さを打ち砕こうとしていたのだと感じました。
「もがけ!もがけ!」と怒鳴る教官。濱島はもがいているが、それは本当のもがきなのか?もがきのポーズなんじゃないのか、教官はそんな風に叱咤激励していたのだと思います。

で、なんとか卒業して競輪選手になった濱島ですが、再び茶髪にして酒とタバコの日々に逆戻り。本当にダメから抜け出せない。
本作はダメ描写が想像以上に長いです。本当に長い。いかに堕落した生活が長く続くとそこから這い上がれないかが、すごい説得力で伝わってきます。中年の再挑戦はそれだけ難しいのです。

ダメなまま挑戦しても、結局無惨な結果が待っています。ある事件をきっかけに、ついに濱島は自らの内面と向かい合わざるを得なくなります。
これ以後の濱島の態度は、どのような困難にでも向かっていける人間の偉大さ・勇敢さ・可能性を感じさせるのもでした。人間は心の奥底で何かが決定的に変わると、180度態度が変わります。まるで生まれ変わるように。日本映画史に残ると言っても過言ではない、濱島の逆襲、過去への落とし前のつけ方は、是非劇場に足を運んでご覧になっていただきたい。

本作は、ダーレン・アロノフスキーの『レスラー』とスタローンの『ロッキー』のエッセンスが混在している、極上の負け犬たちのOnce Again映画でした。
主演の安部賢一さんも、これが最後のチャンスと決めて、本作のオーディションに挑んだとのこと。このエピソードも本作とパラレルになっており、映画に漂う魔力を増強してます。また、安部さん顔がいいんですよね、すげー汚くて、生々しくて。実際はさっぱりしたイケメンおじさまのようですが、本作ではリアルな役作りをされていました。今後の活躍も期待しています。


本作を観たきっかけは、フィルマでフォローさせていただいている、NOOO000oooさんの熱いレビューを読んだことでした。ここに感謝の意を表します。素晴らしい作品を紹介してくださり、ありがとうございます!
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