ホイットモア大統領

ヴィクター・クロウリー 史上最凶の怪人のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

3.5
約4年ぶりの新作。監督は生みの親であるアダム・グリーンに戻ったが、3作目の正式な続編。

実は1作目からのファン。早々に姿を現し、ワンカットで惨殺描写を見せる大胆な演出に加え、ゴア度とテンポ、共に申し分なく、巨漢スラッシャー系では久々の当たり作品だった。

そんな1作目から数えると12年が経過。
3作目にはザック・ギャリガンなどが出ていたが、監督交代と中途半端コメディが起因してか微妙な出来に。

そして本作。
なんと… “輪をかけてふざけ倒してきやがった”。

ヴィクターの復活までに作品の半分ぐらいを使い、何をしていたかと思えば痴話喧嘩と下ネタ祭り。おっさんのドアップモザイクまであるよ☆!
その後適当な理由で飛行機が墜落し、You◯ubeでトニー・トッドが呪文を唱えると、『死霊のはらわた』の死霊よろしく簡単に復活。

飛行機が墜落した場所はもちろん “クリスタル・レイク”…じゃなくて、“ハニー・アイランド沼”。その飛行機からあの手この手で乗客を引きずり出そうとする “ジェイソン”…じゃなくて、“ヴィクター”(ただ中の人は同じ)が健気。テイストは『バタリアン』といったところか。

…もうお気づきだとは思うが、シリーズのファンか、パリー・シェンのファンでなければ、開始30分で停止ボタンを押すだろう。
しかし、最後まで突き抜けたおふざけに、なんだか楽しそうな顔が眼に浮かぶケイン・ホッダーで、私は十分満足しました。

さらにラスト、本作もまた “ショットガンでカシャカシャ終わり” で堪らないぜ!
「そうだよね?生きてたよね!?」と思わずにはいられないファン・サービスに、+0.1点!!

ちなみに、トロマのロイド・カウフマンの後継者は、『ファーザーズ・デイ』のスティーヴン・コスタンスキかアダム・グリーンだなと、本作で確信しました。