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ギャングースのはとのレビュー・感想・評価

ギャングース(2018年製作の映画)
4.2
東京国際映画祭にて鑑賞。
めちゃくちゃ良かった……
「金がねぇ」という状態がどれほどのものか、そしてどこへもいけない閉塞感を全編を通して訴えてくる迫力。エンタメ作ではあるけれども、現代の日本で今起こってても全然おかしくないくらいの社会問題も突きつけてくる。流れるようなケイパーもの!というわけではなく、しかし考えなしに突っ込んでるわけでもない絶妙な腕と詰め方をしてるからハラハラ度合いが半端ない。映画自体のテンポがとても良く、長いとも短いとも思わなかった。
主演三人全員良かった!世の中全部憎んでるギラギラした目つきで暴れる高杉真宙、コミックリリーフになりそうな所をきちんと肉体に落とし込んでリアルにする加藤諒、ほーっとしたような表情で和ませるのに好きなことになるとのめり込む渡辺大知、この三人のバランスが完璧だった。この三人のかさついた唇と一度も変わらない服装に、彼らがどれだけ何も持っていないかを感じる。所々の特に説明されないけれど、小道具の使い方とかも上手に映画に溶け込んでて良かったなーと思う。
しかし主演三人+監督しか知らないままチケット取り、ポスターに載ってる他キャストのこと注視してなかった結果林遣都が出てきた瞬間ひゃーーー!?!?ってなった。こういう微妙な立ち位置の林遣都は素晴らしく映えますね。彼の服装や顎に生えかけた髭とたるみが、彼の生活感とか滲み出ていて良かった。
あと久々に観た斉藤祥太・慶太の使いどころが面白かった!ビジュアルの分け方最高でしょう。他にも久々に観る人がちらほらいる。
しかし金子ノブアキ本当にいいねあの人は。なんでああいうのがあんなに似合うのか。今回の裏主人公とでも言うべき立ち位置の人だった。
そしてMIYAVIが私史上一番のヤバヤバのヤバを叩き出した。MIYAVIに関してはヤバいしか言えない。このヤバさはキングコング的なヤバさではなくアンブロークンの方を指します。この人なんでも演じてくれるね!?すごいよあれなんなの!?
正直めちゃくちゃめちゃくちゃキツいシーンがあるし基本的には女性の人権がほぼないのでちょっと苦手な人にはオススメ出来ない所が正直あるんですけど私は観て良かった。悪い人が悪いことをしているシーンにはあまり胸が傷まないので…いやそれでも酷い部分はあるんだけども…
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