佳香かこ

ギャングースの佳香かこのレビュー・感想・評価

ギャングース(2018年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭上映作品。

「誰にもバカにされず稼いだのはこれが初めてだ」と泣き出すサイケの涙に、
彼らが生まれてからこれまでずっと否応無しに晒され続けてきた社会の不公平、矛盾、
誰も助けてくれない、それなのに「自業自得」の一言で片付けられる自身の不遇のやるせなさ、
ただそこから抜け出せない自分に対する無力感、
そんなもの全てが込められていて、
胸が詰まってしまった。

また、そんな元凶である身勝手な親のことをも憎み切れない、どんな親であっても
愛されることを諦めきれない子どもの健気さがまた胸に迫ってきた。

詐欺集団の番頭がオーナーに言い放った
「俺ら不良なら、強い奴らに媚びへつらうよりも、強い奴にかかっていってなんぼだろ」というようなセリフに
それぞれの正義、良心を見た気がした。
佳香かこ

佳香かこ