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ギャングースの小のレビュー・感想・評価

ギャングース(2018年製作の映画)
3.8
「タタキ」(窃盗、強盗の隠語)とか「半グレ」(暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す集団のこと)という言葉、知らなかった。原作は同名のコミックは未成年犯罪者を取材したルポライターの鈴木大介氏がストーリーを共同制作しているという。暴力団の取り締まりが厳しくなっている現代におけるリアルな裏社会の実態をエンタメ作品として面白く描かれている映画かな。

個性の異なる少年たち3人が生業とする「タタキ」は単なる窃盗ではなく、犯罪組織だけを相手にするらしい。警察に届けられることはないとはいえ、見つかったらただでは済まないことは間違いない。似たような話は以前『ヒートアイランド』(垣根亮介・著)でも読んだけど、比べると、現実に即しているであろう映画の方が荒っぽくて大丈夫なのかな、と。

道具屋兼情報調達係の高田のことがもう少し知りたいとか、どうなの?と思う部分があるとか細部はともかく、物語はスリリングで退屈しないし、ヒューマニティー要素もしっかりな観ていて安心のつくり。テーマが少年犯罪だからR15+指定なのかな。

ただまあ、少年たち3人が成長し、絆は強まったように見える明るくまとめられたラストは、社会から見放されるいう状況は変わらないという現実とミスマッチさせるという映画的に技法なのかしら。面白かった~だけで終わらないでね、みたいな。

●物語:3.5
・エンタメ要素強めの少年クライムサスペンス。普通に面白い。

●他 :4.0
・演技とは全般に良い気がした。
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