YokoGoto

I am Sam アイ・アム・サムのYokoGotoのレビュー・感想・評価

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
4.0
真の愛情とは、味や香りや色もなく、限りなく透き通ったにごりのないピュアな感情である。

しかし、人は、そこに味や香りや色をつけたがる。

だから時間が経つと、“味がうすい”、“色が褪せた”と、愛情の濃度を測るようになり、いつしか愛とは異なる感情になり消えていく。

さまざまな愛のカタチはあれど、小さな子どもに傾けられる親の愛情にまさるものはなく、そこに、愛する資格や権利などのものさしは必要ない。
努力せずとも愛せる能力こそ、人間が持つ力の中で、最も崇高な能力。

7歳の知能しか持たない、いわゆるマイノリティと呼ばれるサムが、ひょんな事から父親になるが、『彼が父親であることは、子供にとって不利益になる』と娘と引き離されてしまう物語。

大ヒットした映画なので、多くの人が一度は見たことがあるだろうが、改めて観ても、やはりショーン・ペンのすさまじい演技にやられてしまう。

障害を持つ父親と7歳の女の子の感動作ではあるが、映画自体はベタベタな感動作とは、若干の毛色の違いを持ち、全編通して固定カメラではなく、ブレブレの手ブレカメラ感が、ある種のリアリティを醸し出す。

それはまるで、“この物語はフィクションではない。”と訴えているかのよう。

過度に泣かせる演出はないので、この辺りは評価が分かれるところでもあろうが、なにげないシーンで、十分涙をさそうので、個人的には十分感動できる。

我が子に十分な教育やしつけをできる親は、良い親かもしれない。
しかし、それが十分でなかったとしても、乳飲み子の頃に2時間おきにミルクを与え、何度も着替えさせ、子どもと同じ目線で全力で遊ぶことのできるサムを、父親と呼ばずしてなんと呼ぶのだろうか。