竜平

I am Sam アイ・アム・サムの竜平のレビュー・感想・評価

I am Sam アイ・アム・サム(2001年製作の映画)
4.2
ショーン・ペン主演。知的障害を持つ「サム」と、彼の精神年齢をもうすぐ追い越してしまう娘「ルーシー」が織りなすハートフル系ファミリードラマ。

様々なアーティストがカバーするビートルズの楽曲たちが劇中を彩りまくる今作。まずめちゃくちゃ幼いダコタ・ファニングが娘ルーシーを可憐に演じる。サムを取り巻く世界の微笑ましさ、親子の愛らしさというのが序盤からありつつ、やがて出てきてしまう現実的な問題、ルーシーがある程度成長してからの養育に関する話というもの。ひょんなことから弁護を依頼されることになる多忙な弁護士リタ、演じるのがミシェル・ファイファーで、このリタもまた家庭に少々難ありだったり、初めはサムに対して冷たかったりする。そんなこんなで偏見で溢れてる周囲と反してなんとも純粋なサムの物事の見方、真っ直ぐで的を射たような意見にきっと歯痒い気持ちになる。そうそう、今作はなんといっても主演のショーン・ペン、その熱演が光る。知的障害を持つ人物の演技はもちろん、その障害と父親であることとの葛藤が見えてくる深み、これが見事だなと。そんで脇役キャストがまた非常にいい味を出す。『ドクター・ドリトル』などのリチャード・シフ、『グリーン・マイル』などのダグ・ハッチソン、そしてローラ・ダーンなどなど。

形として見えないような家族の「愛」か、現実的な「安定」か、子供にとって本当の幸せとは、みたいな、これって永遠のテーマかも。『gifted/ギフテッド』あたりでも描かれてた気がする。今作に関しては結末をわかってたとしてもなんかやっぱり感動できるしほっこりしてしまう、ってのは俺だけじゃないよね。たまに無性に見たくなる良作。
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