ミュージカルのイメージが強い今作。
今更だけど知らなかった！元はドラマだったなんて！！
ドラァグクイーンが倒産の危機に瀕した老舗紳士靴店の再建に一役買う、実話に基づくヒューマンドラマであり、会心のコメディ。
オープニングから雰囲気抜群！グッと引き込まれる。良作の匂いがプンプンする。
そして物作り(靴作り)の現場の映像はワクワクする。王道でもあるストーリーは何とも気持ち良い。
ジョエル・エドガートンの成長ぶりが良かった。経営者にとって発想の転換、とりわけニッチ市場への挑戦は一種の賭け。なかなかそこの決断は難しいところだけど、ヒントを見逃さず受け入れ挑戦する柔軟さとか、実は根っからの経営者気質ぶりを上手く演じてた。勿論1番の見どころはブーツ姿だと思うけど。
そしてマッチョで大柄なキウェテル・イジョフォーのドラァグクイーンぶりが素晴らしかった。豪快でありながら不思議とキュートに見えたり。かと思えば母のような包容力を発揮したり、いわゆる人間力の高さを感じられて とても魅力的に演じてた。
スッと心に響く言葉の散りばめも、綺麗事にしない偏見の描き方も笑いと感動が行ったり来たりする感じも、とてもバランスが良かった。
“田舎のチャーリーと都会のサイモン“の友情の握手シーンも、ニック・フロストとの腕相撲のシーンもグッとくる。そして、ランウェイでのショーは圧巻だった。
今観るとドラマ『陸王』が、更には老舗足袋屋『こはぜ屋』が頭に浮かぶのは私だけかな？
劇場で観たかったけど見逃してしまったミュージカル。今作を踏まえていつか必ず観たい！
