アリスinムビチケ図鑑

キンキーブーツのアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

キンキーブーツ(2005年製作の映画)
5.0
『人が何を成し得たかは、
他の人の心に何を残したかで測るべきよ』

心に響く素敵な言葉。
そう、この言葉の様に素敵な実話ベースの心温まる物語です。


真っ赤なヒールの靴を履くのが大好きで、女の子の様に可愛い黒人の男の子がいました。

靴が何よりも美しく大好きと思う、老舗靴生産会社に生まれた1人の男の子がいました。

時は流れ、1人はショーに生きるドラァグクイーンに、
もう1人は父と祖父達が育て上げた会社の社長へと…。

父の急死で突如任された"プライス社"は倒産寸前まで傾き、
4代続いたプライス社を立て直したいと考える新社長のチャーリーが、
会社の窮地を救う為に降り立ったロンドンで、
若い男達に囲まれ襲われている赤いブーツを履いた女性に出会います。

彼女を救おうと立ち向かうチャーリーでしたが、逆に彼女に助けられてしまいます。

チャーリーとドラァグクイーンのローラは運命的な出会いを果たしたのでした。

仕方無く行ったリストラ。
『"何が出来る?"
なんて言って座ってないで、ニッチな層をターゲットに新商品を作るべき! 』
と言うローレンの言葉に後押しされ、
ショーウィンドウに美しく輝く赤いヒールの靴を見てチャーリーは閃き決心をします👠

まだ誰も手を付けていない層、
ドラァグクイーン達をターゲットとする企画。
新商品開発の協力要請をしにローラの店を訪れます。

チャーリーとローレン、そしてローラ、社員達全員を巻き込んで、
プライス社の命運を掛けた一大プロジェクトの幕が切って落とされます。


ここで描かれているのも、LGBTへの偏見と差別。

見た目が自分達と違う…ただそれだけ。

昔気質の職人達にはその違いが中々受け入れられません。

好奇の目と偏見の目、差別的な発言にめげること無く、
毅然とした態度やユーモアと優しさで接し、
徐々に受け入れられて行くローラがカッコ良くて素敵✨ (୨୧ᵕ̤ᴗᵕ̤)💓

女性より男性の方が気持ちの切り替えに時間が掛かる様子。
その筆頭だったドンも、
漢気溢れつつも優しいローラの魅力に気付き、徐々に心を開き認めて行きます。

観ていて凄い!と思うのは、
ローラがどんなに嫌がらせをされたり辛く当たられて傷付いても、
決して愚痴や悪口は言わず、その倍の笑顔で立ち上がり、
嫌がらせされた倍の優しさや、自分の実力を見せる事で、
自力で居場所を勝ち取り仲良くなれる事だと思います。

"罪を憎んで人を憎まず"
いや、哀しさこそ有れど、ローラは何一つ憎んでなんかいなかったんじゃ無いかと思います。

自分を良く思わない相手に、倍の優しさと笑顔で接するなんて中々出来る事じゃ無いですよね♪😌

ローラは男性の身体的にもかなり体格が良く男らしいんですけど、
女性の格好をして、女性らしい振る舞いや仕草をする姿が、どんどん美しく見えて来るから不思議ですよね😄

見た目の美しさには限界があるけど、
中から滲み出て来る美しさには限りなく、全ての人を魅了する不思議な力があると言う事を思い知らされました🌟

"赤"に対するローラの強い拘りと、製品に賭ける熱い想い、
それに応える為一丸となって頑張る職人達の姿にも感動させられます。


何度もブロードウェイや様々な舞台でも繰り返し公演されるのが頷ける程に、
心に響く素晴らしい作品で、忘れられない映画になりました💓

まだご覧になっていない方、LGBTが苦手と思われる方も、
一度偏見を捨ててローラの人柄やストーリーの素晴らしさに触れてみては如何でしょう。
おススメの作品です。