みー

キンキーブーツのみーのレビュー・感想・評価

キンキーブーツ(2005年製作の映画)
4.0
これはイギリスの朝ドラかい?
ってくらいの、王道ヒューマンストーリー。実話ベースです。
満足感、幸福感、お高め。

亡くなった父親に代わり、イギリスの田舎町の紳士靴工場を引き継いだチャーリー。時代の流れで倒産寸前のその時、ドラァグクイーンのローラと出会う。彼女が履くハイヒール👠こそ、ニッチな市場では?!と閃き、ローラに協力を懇願し、工場の再起にかけるが…。

BGMは雰囲気があってとても良かった。
ドラァグクイーンのステージシーンもカッコ良く、ローラが本当に魅力的!
あのピンヒールでダンスステージをこなすシーンは、どれほど練習したんだろう…爪先はどれだけのマメがあるだろう…なんて想像して、その努力に涙が…。
素晴らしかったなぁ。

「靴」への愛情も伝わる作り。
革のいい匂いがしてきそう。
そしてキンキーブーツが出来上がる過程、ジッパーを上げるジーーーッという音が鳴る瞬間は、靴好きな女性にはたまらないはず。自分にフィットした靴を見つけた時の幸福感といったら…!

ヒールを履くと女性に魅力が増すというのは本当だと思う。ただ、とにかく歩くのが大変なので、私なんかはちょっとした食事などでしか履く機会がない。でも、手元にいくつか置いておきたい。眺めていたい。買ったばかりの洋服と、玄関で時々コーディネートしたい。
そして、男性に褒められたい!!
だからローラが熱弁したヒール論には、超・同感!いいから可愛いのを作れっ!!笑

主人公チャーリーのヘタレっぷりが、周囲の女性の母性をくすぐる。
工場を取り巻くスタッフとの確執、温かさ。そしてローラが偏見への苦悩を感じながらも凛としている姿がジワジワ染みてきてからの、スパークルなラスト。もうみんな大好物だってばーー。

チャーリーは頼りないんだけれど、後継ぎが身近にいる私としては、あのプレッシャーと社員を雇うという責任感の重圧はとても良くわかる。そこにローラというスパイスが加わって、極上の人間ドラマとなっておりました。

ただ、チャーリーがそれにしたってあまりにも不甲斐ないボンクラで、ローラが不憫なところもあったかな。あとはもう、ストーリーがベタベタです。それがいいんだけどっ(//∇//)

最初とラストに、ウッドデッキで踊る姿。とても印象的で、ステキなシーンだったな。
あとは、ドン役でニック・フロストを見つけた時の幸福感も半端なかった(笑)

ミュージカル化されたのも納得の面白さ。
本場の舞台、観てみたいなぁ。
みー

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