まりぃくりすてぃ

センターラインのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

センターライン(2017年製作の映画)
3.9
チープな演技演出(そして何よりも、チープな “被告人”)に私らの目と耳を慣れさせちゃえば、もう映画側の勝ちッ。
マリったら、まさかこんなのに泣かされるとはね。。

エム・エイ・アル・アイ・エヌ・エイ!(←主演女優さんは名前が最高、と吼えたいだけの個人的な文っ)
その吉見茉莉奈さんが演じた感情的で意地っぱりで優しい検事は、(菅野美穂+加藤綾子+小野文恵)÷3、な悪くない普通さ。
対する自信満々冷徹弁護士の倉橋健さんは、(谷原章介+役所広司+葛西紀明)÷3、かな。
菅野&谷原を筆頭に挙げたくなったとおり、あの名作TVドラマ『わたしたちの教科書』の法廷場面を彷彿させた。定型的でソフトで安心感ある役作り。それらが身近さをたっぷり含んでて、かすかなスペシャル感。凡庸-特別-凡庸-特別……特別と認めてあげてもいい!
いずれにしても、法廷サスペンス映画って、毎度私たちをノメリ込ませる。高まるべくしてそう高まったのか裁判長役のフィットぶりは、次第にこちらの期待を超えてきた。
まるで顔筋鍛えてるみたく、たいていみんな(トラック運転手役とかも)、正面撮りのプレッシャーに動じてないね。
警察署の上司役だけは、ヘタウマ感ってよりは単なるフザケ感を強調しすぎてたような。確信犯だろうが何だろうがそのヘタみは邪魔。
それと残念なのは、音。台詞が時々聞き取りづらかった。最後の楽曲はまるでモノラルみたいな寝感。

傑作とまでは思わないけど、『ブレードランナー2049』みたいな大作に鑑賞後感がそんなに負けてない。ラスト10分で泣けたのは大きい。