なみ

ゴッズ・オウン・カントリーのなみのレビュー・感想・評価

3.5
美しい。けれど、寂しい場所だな。

このセリフがすべてな気がする。
寂れていく街、身体が不自由な父親と、祖母との3人暮らしのゲイの若者の牧場生活は、将来が見えず鬱屈していくのは言うまでもない。
そこに期間限定でやってくる手伝い労働者。

鬱屈した生活とヨークシャーの暗く寒々しくピュアな景色がマッチしていて、世界観に入り込める。

向こう見ずで放っておけない主人公と、しっかり者の労働者は王道のカップルだけど、こういう作風のラストって大体悲しい結末だったりする印象だから、どうラストに持って行くのかなぁと気になっていたが。
今作は主人公が変われるかどうかがカギだと思う。

何より、その生活もリアルで牧場の仕事も詳細に描写していてリアル。
だからこそ彼らの将来が易しいものではないことを感じ取れたのが一番の収穫。
なみ

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