ゴッズ・オウン・カントリーのネタバレレビュー・内容・結末 - 5ページ目

上映館(5館)

「ゴッズ・オウン・カントリー」に投稿されたネタバレ・内容・結末

サックスビー青年は絶対ゲイ、とは断言できない…ような気がする(ただあの辺境地で弱き者だった、ような)。そんなサックスビー青年が中盤からは可愛くてどうしようもなくなるのだけど、そこで子羊を見るゲオルゲの優しい視線を思い出して、ラストのあの吐露でああこいつも独り立ち(?)したんだな、大人になったんだなぁと勝手な納得をする。ルーマニアへの道中、ちょっと濃い目の雲の隙間にようやく顔を覗かせる青空が良かった。
こんなに笑わないのに愛を訴えることができる映画があるとは。こんなに言葉が少なくとも通じ合えるんだ。1回目外で殴り合い状態から始まったのはすごく激しくてわけわからないのに、それとは対照的に面と向き合った時は言葉がなく、なんか2人に隔たる壁がどんどん柔くなっていくのが好きだと感じた

水がキーになってるのかな。トイレはたくさん出てくるのに、雨は降らない
男性同士の恋愛だけど、普通に恋愛映画になっているところが良かった。でも、ゲオルゲには誰でも惚れてしまうと思う。あの胸にヒツジの赤ちゃん入れてたのとか!それだけに、恋愛そのものの幸せ度よりもゲオルゲが介護とか差別とか、これから向き合っていかなければならないものを思うと、手放しでハッピーエンドとは思えず。
『ブロークバック・マウンテン』meets『彼の見つめる先に』といった趣きの構図が胸に沁みた。『ブロークバック・マウンテン』で深く胸を締め付けられた者としては、この作品が『ブロークバック・マウンテン』のアンサーソングとも取れて、ようやくその苦しさが報われたような気がした。

どんな関係においても、人との関わり合いで大事なのは "導き合うこと" なんだよなって改めて感じた。導き合うことによって成長に繋がるんじゃないかなって。

若い故もあって、何事にも不器用なジョニーがゲオルゲに自然と導かれていく過程は、ジョニー演じるジョシュ・オコナーの眼の変化によって表現されていて、いつの間にか、我が子の成長を見守るような暖かくもハラハラした気持ちで観ていた気がする。

【2回目鑑賞追記】

やはり2回目では1回目で気付かなかった小さなディテールにも気付くことができ、その繊細な演出に初監督作とは思えないフランシス・リー監督の才能に脱帽。

改めて観ると、ガス・ヴァン・サント監督の『グッド・ウィル・ハンティング』の側面もあるなーと感じた。常に厳しかった父から「You done good(よくやった)」「Thank you(すまんな)」と認めてもらえたことによる、ジョニーの強い自己否定感からの解放。『グッド…』では、それまで堪えてきた自責の念を「I’m sorry」と吐き出し、それを「It’s not your fault(君のせいじゃない)」と抱きしめる。人には誰にだって弱い面もあれば、認めて欲しいという承認欲求がある。それを見せられずに強がるしかなかった辛さ、携帯も繋がらない環境でSNSを使っての承認欲求さえも満たせない。そんな中で常に独りで会話も通じない動物相手に牧場を切り盛らなくてはならない。それも全て、年老いた祖母、病気の父の為と頑張ってきたジョニーの姿を最低だとか、ダメ男と言い切ってしまうことに違和感を抱かざるを得ない(レビューを見ると、そんな声も多い)。そんな風に突き放してしまうと、ジョニーは益々孤独になってしまうだけ。そんなジョニーの側面は誰にだってあるはず。だからこそ、ゲオルゲを追いかけ、「I want you come back, with me」「I don’t want to fucked up anymore」と溢れる涙を堪えながらも、静かに流すジョニーの一雫の涙は、他の何にも変えがたい、ジョニー自身の成長の証と捉え、一緒に抱きしめてあげたいと思うわけです。

一度は離れたゲオルゲと共にヨークシャーへ戻り、ゲオルゲの寝床としてたキャビンカーを売り払った様子から、一緒に家に入る2人の姿で映画は終わる。その後の2人をどうしても妄想したくて見つけた写真(3枚目)の幸せそうな2人の笑顔に「ジョニー、良かったね」と声をかけたくなってる自分がキモいw

2/10と2/11の上映前にはゲオルゲ役のアレックス・セカレアヌからのメッセージ上映があり、入場者プレゼントとしてジョニーのポストカードもゲット。パンフレットに付いていたクリアファイルの両面は互いが抱きしめ合ってるようになってる小憎い仕様でかなり満足。

もうどうしようもないくらいに余韻が抜けなくて、一度ハマると同じネタが続く傾向をお許しくださいまし。…ということで…、


【さらに追記。ネタバレも甚だしく、自分勝手で自己満足極まりない考察をしてみた】

①石垣
長いこと欠けていた石垣こそジョニーの成長とリンクしていて、ゲオルゲと石垣を挟んで修理していることこそが関係性としての距離感、拒絶感を表し、距離感が縮まっていく中で物言わずどこかへ向かうゲオルゲを追いかける時、ジョニーは石垣を越える。その瞬間にジョニーは自分の心の中の石垣も超えられたんじゃないかと。(この石垣考察はトモくんからの示しで気付いて鳥肌たった次第)

②音楽
ジョニーの心が閉ざしている序盤では音楽は鳴らず、吹く風などの自然音のみ。ジョニーの心が開いていくにつれて音楽が流れるようになる中盤以降のその効果は絶大。

③色彩と天気
序盤は曇天が続く中で紺色のモノクロとも取れる暗い色味だったのが、ジョニーの心情の変化に合わせて、空の遠くに晴れ間が覗くようになり、やがて花が咲き、完全な晴天が訪れ、緑の溢れた草木がジョニーを包む。

④街の人々
小さな街だけに差別意識がありつつも、そこに住む人々の素性については暗黙の了解があったのかと。ジョニーの性的嗜好も実は知っていて、後半のバーのシークエンスでカウンターにいたオッチャンがゲオルゲにビールをピシャピシャと指先で飛ばしていたのは、事前にジョニーとの会話(一緒に牧場をやらないかとのジョニーの誘い)を聞いてたこともあり、ジョニーがトイレに行き、若い男子が追いかけてトイレに入っていったことを「何をボーっとしてるんだ、早くトイレに行って止めて来い」と知らせていたのかなと。

⑤キス
行きずりの相手ともゲオルゲと初めて求め合った時も、手を繋ぐこともキスも拒んだジョニー。まさに心を開けない(開きたくない)心情の表れで、のちにゲオルゲと恐る恐るキスをする。そこで初めてジョニーが他者に対して心を開くことが出来た瞬間でもあったのかと思えば、ただのキスにとどまらない深さを感じることができる。

⑥手
手の平に傷を負ったジョニーの手を握り、傷をいたわり撫でるゲオルゲ。それをきっかけに他者の温かみを感じ始めるジョニー。父親が入院した先の病院の食堂で不安がるジョニーの手を指先で撫でるゲオルゲ。その後の病室で同じように父の手に触れるジョニー。手を通じての心情表現。

⑦子羊
子羊こそ実はジョニーなんじゃないかなと。仮死状態で生まれてくるくる子羊は、それまでに感情を持てずに過ごしてきた(生気のない目をした)ジョニーで、そんな子羊の身体をさすったり、人工呼吸をしながら蘇生させて、ミルクを飲ませたり、時に抱きながら面倒をみるゲオルゲ。まさにゲオルゲの存在で愛を知り、キス(ゲオルゲの人工呼吸)が出来るようになり成長していくジョニー。死産で生まれた子羊もまたジョニーなんだけど、剥いだ毛皮を別の子羊に着せることで母羊のもとによって自らミルクを飲めるようになる。ジョニーの真の独立や成長過程とリンクしているんじゃないかっていう考察。
ゲオルゲ完璧過ぎ。あんな相方私も欲しい。ジョニーはなかなか素直になれないんだけど、少しずつ心を許していく様が良かったな。みんなが激しいって言ってたから構えてたけど、そうでもなかった。もっとすごいかと思った🙈子羊の皮を剥いで別の子羊に着せるとこは、なるほどね!って目からウロコが落ちた🐏
ちょっと予想してたけどやっぱりセックスに至るまでの心の動きわからなかった
あと最後会いに行った時まずは謝ったほうがいいんでは…?って思ってしまう謝った上であのやりとりして欲しかった

ゲオルゲの色々な技がスマートでカッコいいのは惚れる

Josh O'Connor何者・・と調べたけれど、日本公開映画には出ていない?TVドラマは有るみたいだけれど。
無名の俳優・・?凄いよ?

ジョニーは兎に角不機嫌な青年。家畜たちにはそうでもないけど、家族や周囲に、不満しか持っていない。
それは、自分の性癖への劣等感かも知れない。

それが、季節労働者ゲオルゲの出現で、変わる。欲しくて欲しくて堪らなくて、でも暴力でしか行動を起こせなくて、それを、受け入れ諌められハグや、キスや、触れる事での愛を知る過程。彼の変化が、素晴らしい。
恋しくて堪らなくて、視線がもう、恋する乙女のようだ。

ゲオルゲが大人過ぎて、余裕が有り過ぎて。繋ぎとめておく自信が無いジョニー。だけど、思った以上に、愛されていたんだな。
まぁ、あの現場は男女間の恋愛でもまず許されない。出て行かれて当然の裏切り。
人種差別的な理不尽な嫌がらせをされた最中の出来事だから特にね。
怒って、出て行く位愛されていたんだね。

映像は、包み隠さず、人によっては不快感を感じるかも名映像も有る。
でも生きている。綺麗ごとじゃない、リアルな映像です。
これは秀作だな‥
冒頭30分くらい寝てしまった。

特別、LGBTQに差別も偏見もない(つもりだ)けれど、なぜゲイの描写をするときには性がこうも全面に押し出されるのか。それがとても苦手である。
LGBTQの問題を解決するために映画が貢献できる役割は、ここを描くことにはないと僕はいつも思ってしまう。むしろ苦手に思ってしまう人のほうが多いのではないか。
どの問題にもあらゆる角度の見方があるので、他の意見もたくさんあるのだろう。多様な意見を理解はできなくても否定はしない、むしろに理解に努める姿勢を見せる人が増えることを望みます。
デリケートな問題とはいえ、気を遣いすぎるのも違うのですが。

ちなみにパンフレットは内容が少なすぎるうえに映画ライターの文章がつまらなかった。バーでビールをかけられる描写の意味だけわかった。
ジョニーの鬱屈した感情が伝わってきた。
ジョニーの感情の移り変わりがとても分かりやすかった分、ゲオルゲの方はあまりわからなかった。
すごくできた人間というか…そうならざるを得なかったのか。
差別意識がごく自然にある怖さ。
ジョニーがゲオルゲに向ける感情が変わったことで、ジョニーに対して好感をもつようになったのかな。
ゲオルゲいい人…。

石垣越えて景色を眺めるシーン好き。


ゲオルゲがマウントとった時燃えた。
ツイッターであまりに絶賛されてたので期待を高めすぎたのかも…良作ではあるけど、社会問題も織り込んだ普遍的なラブストーリーという感じ。

閉鎖的な田舎、根強い移民差別、傾きつつある家業、親の介護…などなど他人事ではない色々な問題がリアルに描かれてて気が滅入ったりもしたけど、ジョニーとゲオルゲの二人が同性であることは特に問題視されてないところは良かったです。別に誰を愛そうが個人の勝手だし、恋愛対象が同性だからって苦悩・葛藤を描く必要がない世界になってきたのかなと思えました。