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ミイラの呪いのhorahukiのレビュー・感想・評価

ミイラの呪い(1944年製作の映画)
2.7
今度は神官の部下が女好き。。。
史上最高にまともな神官に恵まれたカリスたんでしたが、今度は神官の部下が女好きなせいで酷い目に合う可哀想なカリスたんを描いたミイラ映画。

ユニバーサルのミイラ映画第5弾。そして『ミイラの復活』から続くカリスたんシリーズ4作目にして最終作。ユニバーサルミイラはあとアボット&コステロの凸凹シリーズがあるんですけど、海外版買わないといけないし、フィルマの登録もない(なぜかフランケンシュタインはある…)ので、とりあえずこれで一旦終了です。

あらすじ…
前作から25年後。沼底へと消えたカリスとアナンカの事件は都市伝説化していた。沼の干拓を進める業者の元に博物館から来たと名乗る2人組が。彼らはカリスとアナンカのミイラを博物館に戻すために沼底をさらう許可を貰いに来ていた。一緒に現地に行って見ると、何かが地中から這い出た跡とナイフを背中に刺され死亡している作業員が居て…。

『ミイラの復活』の30年後が『ミイラの墓場』で、その続編の『執念のミイラ』の25年後が本作なのですが、少なくとも55年経ってるはずなのにあんまり時代的な変化を感じない…というか描くことを避けてる感じ。設定上90年代のはずで当時からしたら近未来なわけだけど、そういうSF的な検討はしてないんかな…(^_^;)それかそもそも『ミイラの復活』がもっと昔の話やったんかな。

前作でカリスたんとアナンカ王女が永遠の命を得てめでたしめでたし(アミーナにとってはこれ以上にないバッドエンドだけど)…かと思ってたんだけど、掘り起こしたせいでアナンカ王女の器になったアミーナの人格が出て来ちゃったのか何なのか、ある時はカリスを求めたり、別の時は怖がったりと一貫性のない行動に出ます。

25年地中にいたわけだから完全にミイラ化してしまってるはずなので、『ミイラ再生』のような人間的な生と死(あるいは愛)の葛藤はすでにないはず。だからこの扱いが腑に落ちない。というかカリスたんファンとしては、アナンカ王女がカリスたんを怖がるのが可哀想で…(T . T)

地中から蘇って来たアナンカ王女のカクカクした動きはカリスとは違った美しさがあるし、女ミイラの復活シーンというのはシリーズ初だと思うので新鮮でした。『ザ・マミー』の女ミイラという発想は本作から来てる可能性がありますね。

とはいえアナンカ側の思いを深掘りするわけでもなく(してるつもりなのかもですが…)、せっかく良い感じで終わった前作を考えると蛇足感のある続編のように思いました。

ドラキュラとかフランケンシュタインモンスターとか狼男とか、数あるユニバーサルモンスターの中であえてミイラ男から攻めるという謎な行動に出ちゃいましたが、とりあえずユニバーサルのミイラ映画は凸凹以外は見たので、次はハマーのミイラ映画を見て行きたいと思います。
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