殺陣師としての誇りを持った段平の生き様を描いた人情話。
オリジナルで月形龍之介が演じた段平を中村鴈治郎、市川右太衛門が演じた沢田を市川雷蔵が演じている。
新国劇で頭取と言う立場ながら、殺陣を付けるのが大好きな段平は、若い役者達に指導する。
新しい芝居の殺陣師に立候補する段平だったが、歌舞伎のような剣戟ではなく。リアリズムを求めていると沢田は言う。
酒に溺れる段平は、喧嘩に巻き込まれるが、その時にリアリズムのヒントを得る…
オリジナル版でもそうだったが、役者の芝居が際立つ作品ゆえ、歌舞伎役者の中村鴈治郎や市川雷蔵の芝居が本当に素晴らしかった。
特に中村鴈治郎の悔しがる様や、喜ぶ時の顔の崩し方がとても良い。
少し終わり方に不自然さを感じたオリジナル版より、こちらの方が好き。