せりな

バイスのせりなのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.0
試写会にて。

クリスチャン・ベールは勿論のことサム・ロックウェルも本人にかなり似ていてそっくり振りが面白かった!
SNLとかやってた監督なだけあってコメディタッチな演出が魅力的ではあるんだけど、政治批判のメッセージもかなり強かった。

多かれ少なかれ、人は目的のために手を回したりしてしまう生き物だとは思うけど、あのレベルまでいくとダメだよね。人の感覚ってすぐに麻痺してしまうからエスカレートしてしまうんだろうけど…
チェイニーに関しては奥さんがああいうタイプじゃなかったら、こんな事にはなってなかったかもしれない。個人的な感情が世界規模に影響を及ぼすこともあるという事を知った。

この映画を見てると、権力者というものは、言葉の言い換えや印象操作で市民の感情を誘導するって事を忘れちゃいけないって事と、
ウォーターゲート事件でニクソン大統領の失脚からイラク戦争、アサンジや、スノーデンの登場、ISISの台頭が繋がって見えてくるなと感じた。それと、世界を巻き込んだ大事になっている動機が個人的過ぎて、人間の業の深さを見た気分になった。

日本でもこういう政治批判を題材にした作品を作って欲しいと切に願う!
せりな

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