先日の『記者たち』（ロブライナー監督）の真相が描かれた映画。
チェイニー副大統領が権力に取り憑かれていく人生模様を描いています。
たった1人の人間が中東の運命をここまで変えてしまえるものなのか…と驚愕します。
権力に魅せられて追い求めるはずが飲み込まれ自滅していく上昇志向の人間は腐るほどいると思いますが、緻密で繊細で用心深く…しかもリンという知的で野心的な妻がいると言う運命。
「時代が求めた」と言う言葉ではくくりきれず、偶然というには大きすぎるタイミングに操られるブッシュ・ラムズフェルド始め様々な首脳陣スタッフ。
比較する対象ではないですがヒトラー率いるナチスドイツは確かに政権としてあまりにも残酷で世界に大きな傷を残していきました。
しかし全世界を巻き込んだ中東戦争の発端を作ったチェイニーの行動は今現在も進行形の複雑な問題を生んでおりその規模は第二次世界大戦の比ではない罪深さを感じます。
プロデューサーにブラッド・ピットを迎え深く深く真実に迫った超問題作、クリスチャン・ベイルのハマり方もものすごい貫禄が出ていて見ものです！
ぜひ『記者たち』と共にこの春観て欲しい作品でした。
