面白かったけど、怖い映画だった。
記憶に新しい時代のことだけに生々しい。未だに終わりのない戦いと不安定な世界情勢は地続きでつながっているのだ。
ラムズフェルド、国防長官在任中は悪魔が人間の顔をしたらこんな感じかしらと思っていたのだけれど、この映画の後半で9・11以降の執務室のあの面々を見ていたら悪魔はいっぱいいるなぁって思った。国家の中枢にいて重要な意思決定をするのにみんな総じて下品。それがまた、家族思いの子煩悩の凡庸な父親でもあるのだから、さらに恐ろしいのだ。
上昇志向の強い恋人じゃなかったらロクでもないままで終わってただろうし、最初に民主党の方の職員だったりしたら(まぁどう見ても共和党だけど)姉妹が仲違いすることもなかったかな？
あと、神輿に乗るのは馬鹿で軽い方がいいのはどこでも一緒だなと思う。サム・ロックウェルの残念な2世大統領うまかった。クリスチャン・ベールよりもハマってた。
日本でもあと何十年かしたらこんな映画できるかな。
