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バイスのnamのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.0
「1人の男が世界一の権力を得て暴走する物語」

ブッシュ政権時や9.11の時に副大統領を務めたディック・チェイニーの半生を描いた政治コメディ。政治の事は正直詳しくなかったのですが当時中学生くらいの時に衝撃を受けた911の裏側で誰もが、混乱や恐怖、不安を抱えてる中、ただ1人チャンスと感じていたという恐ろしい人物です。

政治ものと聞くと堅苦しいものを想像してしまいがちですが本作は「アントマン」や「マネーショート」を手がけたテレビのコメディ出身のアダム・マッケイ監督の作品のため。非常にテンポや編集・演出の工夫があり飽きずに楽しめました。

周囲がチェイニーの策略にハマる様子を魚が疑似餌に引っかかる様子をインサートしメタファーによる表現で分かりやすく何が起こっているのか見せてくれます。
そして最初からナレーションで物語を進める謎のストーリテラーの正体といい驚きの演出もあり最後まで楽しめます。

各役者陣の再現度の高さはぜひ比較画像を見てほしいですが、とても似ておりあのバッドマンも演じたクリスチャン・ベールが太ったブヨブヨのハゲ親父をチャーチルなどで実践した特殊メイクなどもある時代に実際に20キロ増量した程の役作りへの執念やサム・ロックウェルのブッシュのダメ大統領ぶりなどとても素晴らしいです。

政治に詳しくなくても1人の凡人がいかにして絶大な権力を得ていったかというヒューマンドラマとしても楽しめるのでおススメです!
エンドロール途中にも映像があるので席を立たずに鑑賞して下さい!最後まで笑わせてくれます!
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