チャチャのパパ

バイスのチャチャのパパのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.9
「記者たち」を観た後に続いて観たかったのが時間が取れなくて延び延びになってた。今回キネ旬シアターで滑り込み。

怖い。そしてヤンなる。あの戦争がこんなしょうもない“政治ゲーム”と私利私欲で起きた挙句、何十万もの死者を出した。

でも当時の大衆はほとんどが騙されてる事に気付かなかったんだ。これって人ごとじゃないよ。日本だって大本営発表に騙されたんだから。

でもアダム・マッケイ監督は単に政治批判をしてるのでは無く「一体なぜディック・チェイニーなる怪物が生まれたのだろう?」と問いかけてくる。チェイニー自身は父親や夫としては良き家庭人ではあるし、特に娘の同性愛に関しては理解を示すあたりはそう。

そんな本来なら善良な人間になったかもしれない人物がいかにしてモンスターたりえたか?

主役のチェイニーはもちろん、スティーブ・カレルのラムズフェルドやサム・ロックウェルの子ブッシュはもう本人にしか見えない。クリスチャン・ベールはもう今回で過酷な肉体改造は辞めるらしいがその方がいいよ。

改めて世の中の“空気”の怖さを感じつつ戒めとしなければね。