Tomo

バイスのTomoのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
4.0
この手の政治的で史実に基づいたストーリーはどう評価していいか分かりません。
もっともフィクションとノンフィクションが入り乱れる構造になっているのでしょうが。

僕にとってチェイニーといえば、湾岸戦争の時の国防長官しとて、当時のアメリカを反映するネオコンの主導者というイメージが強いです。

その後、子ブッシュの副大統領に就任すると、市場最悪の大統領を傀儡政権とし、自分の意向を通す影の大統領として君臨することになる。

もともと強硬派であったことから、アメリカ同時多発的テロ以降は、イラク侵攻、フセイン政権崩壊などテロに屈しない姿勢をとった。しかし多数の兵士を犠牲にし、且その後、アルカイダの壊滅を進めたことでISCSのを生み出すなど、より深刻な問題を生み出すことになるA級戦犯であることも否めません。

しかし、映画の通り、実際のチェイニーがこのような独断をしていたのかは、視聴者に委ねられるところもある。師匠であるラムズフェルトや、父ブッシュの意向もあると思うし、何より妻リンの野心的影響が後押ししているようにも感じられました。

ストーリー的にはニクソンから子ブッシュ時代の成り上がりと、巧な政治的戦略思考を柱とするが、随所にブラックユーモアを交えなからの展開で飽きることはなかったです。

クリスチャンベールは好きな俳優さんです。本作、マネーショート、アメリカンサイコなど全く違ったイメージであるカメレオンさが魅力です。
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