バイスの作品情報・感想・評価

上映館(8館)

バイス2018年製作の映画)

Vice

上映日:2019年04月05日

製作国:

上映時間:132分

あらすじ

「バイス」に投稿された感想・評価

GreenT

GreenTの感想・評価

3.5
アダム・マッケィ監督は昔、サタデー・ナイト・ライブという番組のコントを書いているライターだったのですが、ジョージ・W・ブッシュは、そもそもが冗談みたいな大統領だったので、政治的な風刺が得意なサタデー・ナイト・ライブでは、「裏でチェイニー副大統領が糸を引いているに違いない!」というジョークはしょっちゅう使われていました。

マッケィ監督は「チェイニーが裏でブッシュを操っている」っていうのをみんななんとも思わないで笑っているけど、案外真実だったりして!とずっと思っていて、それでリサーチをし始めた、とDVDの特典で言ってました。

何十年も政界にいたのに、出身大学さえあまり知られていなかったチェイニーは、よくよく調べてみると、かなり戦略的に大統領への道を歩いていたということがわかって、マッケィ監督はチェイニーの頭の中がどうなっているのか、色々想像したみたいです。

前半は、チェイニーがしょうもない飲んだくれから、奥さんにケツを叩かれて一念発起し、ホワイトハウスに潜りこみ、あれよあれよと言う間に出世するところが描かれています。

しかし、もう少しで大統領候補になれそうだったところで、末娘のメアリーがレズビアンであることが発覚。大統領選に出たら、対抗馬がメアリーのことを攻撃してくるのは必至。メアリーを晒し者にしたくない、と政界から足を洗う。

で、石油会社のCEOかなんかになって、奥さんは歴史本の著者になって、ゴールデン・リトリバーのブリーダーもやって、めちゃくちゃ金儲けて悠々自適。

なんか人生ってフェアじゃないなあ〜〜〜。

マッケイ監督は、この脚本を書き始めてかなり早い時点で、物語を語るナレーターは「アメリカ」にしよう、と決めていたそう。

映画では、カートと名乗る謎の男性がストーリーの語り部なのですが、この人は「アメリカの一般市民」を象徴しているようです。ウェアハウスで働いていて、結婚して赤ちゃんがいて、軍隊にいてイラクへ行ったこともあり、ローンを組んで一軒家に住んで、ジョギングしたりする。

マッケイ監督は、政界の話は複雑だし退屈だし、でもチェイニーのしたことがいかに一般市民の生活に影響したのかを知ってもらいたいと、カートのキャラを創造し、最後カートがチェイニーに捧げた犠牲は、アメリカ国民がチェイニーに捧げた犠牲とかけてあるらしい。

政界からは遠のいて、幸せに暮らしていたチェイニーが、副大統領にならないか?って電話をブッシュからもらったとき、チェイニーはどう思ったんだろう?と言うのが、マッケィ監督の最大の謎だったんだそうです。

なので、チェイニーの感じたことを極端にドラマチックに見せるために、シェイクスピア風の台詞回しで「我々の時がきた」と言わせたらしい。

監督曰く、最近はあまり権力の中毒性とか、腐敗性を語るものってないけど、ずーっと遡って行ったらそれを一番上手く表現していたのはシェイクスピア。そして、権力への欲求はチェイニーに始まったことでなく、ずーっと昔っからあったんだよ、と言うことを観客に思い出させるためにも、シェイクスピアを使おうと思ったそう。

マッケィ監督は、「チェイニーはすごく頭がよくて、常に何歩も先を見ていた」って絶賛するんですけど、前半ホワイトハウスに潜り込んで出世していくところでは、そのすごさってあんまり良くわかんなかったんですけど、副大統領になるかどうかをブッシュと話し合うところで、チェイニーの狡猾さが良く出ていましたね。

チェイニーは、ブッシュが簡単に操れるくらいアホであるだけでなく、「パパ・ブッシュに褒めて欲しいだけ」つまり政治的な大志を抱いていないことを知ると、副大統領ってどのくらい権力を持てるの?ってことを徹底的に調べ始める。で、副大統領の仕事や立ち位置は、大統領の一存で決まることを突き止めると、ブッシュを絡め取りに行く。

このシーンは面白かったですね〜。チェイニーがブッシュに「君は、直感で物事を決めるタイプだな・・・・そこがお父さんとは違うところだ・・・・」と言うと、ブッシュが「良く言われる!」って喜んでるんだけど「お父さんと違ってバカだ」って意味なのに!!(爆)

で、チェイニーは、「君は動的なリーダーだから・・・どうだろう?地味で退屈な仕事は私に任しては?官僚たちを監督するとか、外交政策とか、環境、エネルギー・・・・」

ここで、チェイニーが趣味としている釣りのシーンが挿入されるのですが、糸を投げて餌を撒いているシーン。

するとブッシュが「・・・・いいよ!」って承諾したところで、釣り糸がピーン!と張って、「食いついた!」みたいな(笑)

ブッシュが当選した後、チェイニーは様々な法的用語の再定義をしたんだけど、その最たるものが911の後。拷問、監視、Enemy Combatants など、アメリカ思想の基礎となる、またアメリカの世界での位置付けが変わる、アメリカ人の生活が変わるような出来事だったのに、チェイニーはそれを地味に静かに行ったため、普通、新聞で読んだりしたら、面白くなくてみんな読むのをやめてしまうような内容だった。

それを観客にどうやって興味を持って聞いてもらおうか?と思って、あのレストランのシーンを思いついたそうです。

高級レストランで、ブッシュ政権の主要人物がテーブルに着くと、アルフレッド・モリナ演じるウェイターが、「本日のスペシャル」を説明しだす。権力に飢えた男たちに提供されるメニューは、戦争でいかに残虐行為を働けるか。「グアンタナモ・ベイ」がメニューに載っている。

このシーンの前後に、チェイニーが「アメリカは法律で拷問が禁じられているから、アメリカがすることは拷問じゃない」と言うシーンがあるのですが、それって、アメリカっぽいな〜って思いました。私はアメリカ大好き!で育ったけど、時たま、「それってダメなんじゃなかったっけ?なんでアメリカだけオッケーなの?」って思うことたくさんあったもんなあ〜。

マッケィ監督は、シェイクスピアの引用や、「レストランで権力に飢えた男たちをテーブルにつかせる」のような風刺で、チェイニーが権力の虜になったという解釈をしているんだけど、そうなんだろうか?

最初の方、チェイニーがラムズフェルドのインターンになったあたりで、ニクソンとキッシンジャーが、カンボジアを爆撃する話をしている時、ラムズフェルドが「何百万人の人が死ぬことを決定するくらいの権力がこのホワイトハウスに集中している。ここ以外に居たいところなんてあるか?」と言うシーンがあるので、多分みんな権力が欲しいのだろうけど、私は全くそんなの、ストレスフルだし責任重いし、欲しくもなんともないので、その気持ちがわからない。

チェイニーが糸を引いていたブッシュ政権でアメリカがとんでもない目にあって、オバマが選ばれたけど、結局また、トランプになり、エイミー・アダムスもインタビューで「私たちまた歴史を繰り返しちゃってるわね」って言ってたけど・・・・

でも私は、最近諦め気味というか、結局、政治家になる人は「正しいことをしたい人」じゃなくて、「権力が欲しい人」しかいないよ!って思うようになった。チェイニーもブッシュも、飲んだくれじゃない?ああいう人たちが、家柄だけで大統領とか副大統領になれちゃう。っていうか、そもそも権力を持った家の出だから、「権力欲しい」って発想あるんだろうし。

で、一般市民も、大統領の政策に文句言うばっかりで、じゃあ自分たちが政治家になって正しい政治をしよう!って思わないわけじゃない。汚い仕事は人にやらせて、文句言っているだけ。歴代のアメリカ大統領のリストを見ても、だいたい保守とリベラルが交互に来ている。どっちになっても満足しない。

だから、政治がクリーンで、本当に平和や人民のために行われることはほぼゼロに等しいのではと。

チェイニーが言葉遊びで世論を操ったり、法律を捻じ曲げたりしたのは、本当にマッケィ監督が解釈したように権力欲に溺れただけなのだろうか?リーダーとして、国を守るためにしなければいけないと自分が信じていることを邪魔するものを排除しただけではないのか?

最後、「僕を選んだのはあなたでしょ?」って観客に語りかけているのは、「また今回もトランプを選んじゃったでしょ?」って言ってるんだろうけどさ・・・。

問題は、そうやって失敗を繰り返していると言いながら、アメリカって結構住みやすい国なんだよな。今だって、トランプ色々言われているけど、景気も上向いているし。少なくとも個人的に困ったことは全くない。

ただ、チェイニーのやったことは、権力の一極集中を生み出すことになりかねないし、ぶっちゃけ嘘ついたり、モラルが低すぎるので、かなり危ないのは確かなんだけど、でもいくらこういう風刺映画を作って警告を出したところで、選挙で投票するときに、ここまでやるか!って予想なんてできないし、やっぱり誰がなっても基本変わらないんじゃないかなあと思った。
NozomiE

NozomiEの感想・評価

4.4
テンポかなり速いけど、分かる人には相当面白いと思う!
tomo

tomoの感想・評価

3.6
クリスチャンベイルの演技が素晴らしい。ただし脚本がテレビっぽくてあまり感情移入できないのは残念。
もちこ

もちこの感想・評価

3.3
飛行機の国際線機内にて視聴。深夜便のすごい眠い中でぼんやり見てたのであまり理解できなかった。なぜ眠い中でこんな政治物の難しいやつを見てしまったのか。。
政治に興味を持たずぼんやりと生きてるけど、チェイニー副大統領という名前は知ってるし、顔もシルエットは覚えているので、自分が知ってる時代の政治の裏話をこうやって見れたのは面白いと思った。まだ本人達が生きてる中でこの作品を作っちゃうのがすごい。クリスチャン・ベールの役作りは半端ない。クリスチャン・ベールの面影が全然ない。あと息子ブッシュ大統領もすごい似てた。あの時代、チェイニーさんがあんな黒幕的な存在だったなんて知らなかったな〜。
ひめ

ひめの感想・評価

2.5
政治ものは難しくて置いてけぼりにされるので苦手なんだけどテンポも悪くなくキャラも強烈で良かったけどもうちょいコメディを期待していた。内容は、マジか、みたいな気持ちです。


最近チャンベー凄すぎて、凄いのが当たり前になっちゃってないか?

この監督がアントマンの脚本書いているというは世界の七不思議の一つ。

サムロックウェルなかなか出てこない。しかし出て来た瞬間サムロックウェルすぎて心の中でガッツポーズした。最高この男。クズ野郎やらせときゃいい演技するだろという彼の使われ方。間違いない。
なんと言ってもチキン食ってるシーンが好きすぎる。表情と食べ方がもう素晴らしい。アイアンマン2でのデザート食べてるシーン思い出した。

途中ギャラクタス出てきて知らん人にはなんのこっちゃだろうな。

マーベルのキャラクターはもう教科書に載せるしかないな。
ピネ山

ピネ山の感想・評価

3.5
ただ本能のままに壮大な釣りに挑むおチェイ。遺体になったナラーターの台詞がとてもよかった
Kanta

Kantaの感想・評価

3.9
ブッシュがすごいアホみたいで面白い。

このレビューはネタバレを含みます

面白い。ちょっと長いけどエンタメとしても楽しめた。

途中の、文字でその後を語ってエンドロールにいく演出があるあるすぎて笑った。
クリスチャン・ベイルの役作りは凄いと思う。
映画としてはどうかな~。
チェイニー元副大統領の何を伝えたかったのか
理解できないまま終わった感じ。
DVDの鑑賞で良かったかな。
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