マクガフィン

こはくのマクガフィンのレビュー・感想・評価

こはく(2019年製作の映画)
3.3
妻が妊娠し父親になる転換期の出来事で、幼少期に失踪した父親捜しでもあるし、自分探しでもあり、父のいない過去との決別でもある導入部が良い。DVD鑑賞。

虚言癖がある兄と共に、歩き探すロードムービーの中に、すれ違いや誤解、人の噂の信憑性の行き違い、過去の記憶を蘇ることなどと組み合わせる情景が良く、幼少期のおぼろげな父の面影と父親になる現状の自分に重ねることなど、感心することも。

終盤のカタルシスの解放に、兄の虚言癖やデラシネが過去のトラウマからくるような、さり気ない奥深さに感心も。大橋彰(アキラ100%)の今後のキャリアを含む、ベストアクトになるのでは。