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一級機密のTAMUのレビュー・感想・評価

一級機密(2016年製作の映画)
4.3
見たい映画は数あれど、ついつい足を運んでしまうシネマート、そして「反逆の韓国ノワール 2018」なんだけども恒例のノワールじゃなかったw

てか、よく出来てました!

韓国軍の部品調達を一手に担う軍補給課、心優しく家族思い、そして国を愛してやまない誠実を絵に描いたようなデイク(キムサンギョン)が課長として配属される。

その後は実話ベースと言われると開いた口が塞がらない、癒着と言う名の暗黒世界にデイクが引き摺り込まれていく。

同調圧力、今流行りでいうと忖度、サラリーマン人生が長かったりすると、大なり小なり身に覚えもあり、デイクを応援したくなる!

そしてラストが特にグッとくる!

この映画、見るまで何の前知識も持ってませんでしたが、またまたチェ・キファが怪演。
『新感染』、『タクシー運転手』、『犯罪都市』と立て続けに見てからのこちらの作品。
もう悪いことを悪いことと感じていない、性根の腐ったクズ課長を熱演♪

もう演技が素晴らしくて、個人的にはパク・ヘイルと双頭を成す変幻自在のスペシャリストな感じ。
本作でも、こんな嫌な奴がいそう感がまぁ素晴らしい!

そしてデイクの下につく主任にキム・ビョンチョル。個人的には引越しのサカイの人に似てるなーと前から思ってましたが、もう、見るからに長いものに巻かれる顔したハマり役。

本作のホン・ギソン監督はこれが遺作となってしまったとのこと。
過去の事件を通じて、現代でも色あせない痛烈な社会批判をする辺り、そしてエンタメに仕立てる辺り、もっと作品が見たかったです。
お悔やみ致します。
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