アリスinムビチケ図鑑

ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンスのアリスinムビチケ図鑑のレビュー・感想・評価

3.8
都内映画館にて鑑賞。

土星に十字のモチーフでお馴染みの独特な世界観を持つファッションブランド、
"ヴィヴィアン・ウエストウッド"の創設者である彼女本人のインタビューがメインのドキュメンタリー映画です。


私が感じた彼女のファーストインプレッションは、
"凛とした芯の通った女性"
"自分の見せ方を良く知っている女性"
でした。

個性豊かな色に身を包むも、
ぶつかり合う色の対立さえも独自のスタイルとして取り入れ消化し、
彼女の内から溢れるパワーと同化したそれは、予定外調和と言う美アピールとしてより魅力的に発信されている様にも見えました。


インタビューを通して感じた彼女のブランドの魅力は、
時代を見据え、常に未来を意識し、
今、社会に何が必要か⁈をアピールするツールとして、
1つのストーリー、主張として発信すること、
時代に流されるのでは無く時代を作る強さと自由、柔軟性にあると思いました。

ファッションデザイナーであると同時に活動家でもある彼女自身、
77歳になった今でもアナーキストとしての魂を持ち続け、主張することを辞めない芯の強さがパンクでカッコ良い。

いつまでも強く華のあるヴィヴィアンは、
今を生きる自己主張を始めた女性達と共鳴し、
ファッションリーダーに留まらず、まるでジャンヌ・ダルクの様に人々を率いる時代の先駆者としての役割をも担っているかの様に見えました。


マルコム・マクラーレンと出会う事によって彼女の人生は大きく変わり、
ショップを作りパンクファッションを手掛けたのがきっかけでデザイナーの道を歩むことになりますが、
途中、服のプロモーションを兼ねて、
パンクロックバンド"セックス・ピストルズ"をマルコムと一緒にプロモーションすることにもなります。
その後、彼によって大きな影を落とされつつも独自のブランドを立ち上げて行きます。


ヴィヴィアンの歴史がパンクロックと共にあると同時に1人の女性としての一面も垣間見る事ができました。

今尚、女性として恋愛を謳歌し、意欲的に仕事に取り組む彼女の姿勢に憧れます。

時代を敏感に感じ取り、それを自分のやり方で行動し表現し続ける"ヴィヴィアン・ウエストウッド "は真のアーティストであり、アナーキストであり、素敵な女性だと思いました。