福福吉吉

ベイビー・キャッチャーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ベイビー・キャッチャー(2017年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
メアリーは双子を出産予定だったが、1人が死産してしまう。メアリーとその夫のジャックは生まれたアダムの世話を尽くすのだが、メアリーはアダムの周りで謎の声や何者かの姿を見るようになった。ジャックはメアリーが産後うつだと考えるが、メアリーはアダムを魔女に奪われれる危険を感じるようになる。

◆感想◆
出産後の母親が生まれた赤ちゃんの周囲で不可解な出来事に遭遇し、赤ちゃんを守るべく行動する姿を描いた作品であり、母親以外の人々には一切不可解な出来事が見えないために孤立無援の状態に追い込まれる母親が精神的に追い詰められる姿は観ていてとても苦しかったです。

メアリーとジャックの夫妻は双子を出産予定だったが、一人が死産してしまい、メアリーは悲しみの中で生まれた赤ちゃん・アダムの世話をすることになります。双子用に二つのベビーベッドが用意されていて、それがなんとも切なくて夫妻の悲しみを感じることができました。

しかし、夫のジャックが献身的にメアリーを支えており、2人は新しい生活を始めることができたのですが、ある夜、メアリーがアダムの周囲に何者かの姿を目撃し、それ以来、メアリーは不可解な出来事に遭遇するようになります。メアリーからすると第三者の存在があってそれによるものと感じてしまうのですが、ジャックにはメアリーが不可解な行動をとっているようにしか見えず、ここで夫婦間の認識にズレが生じて、ジャックはメアリーの言うことを信じられなくなります。ジャックが駄目な夫ならまだ分かるのですが、メアリーを助けようとしていることから、このズレがとても歯がゆかったです。

メアリーはネットで検索して過去に魔女により赤ちゃんを奪われた女性と会って、アダムを魔女が奪おうとしていることを確信します。ネット検索ってところが胡散臭いですが、魔女に子を奪われた女性がその子に特殊な痣があり、アダムにも同じ痣があったことからメアリーはそれを信じます。

この後のストーリーはメアリーが完全に精神的に追い詰められており、周囲の人間から見ると異常な状態であることもあって、メアリーに起きることが真実なのか、それとも全て彼女の妄想なのか分からない状態で私たち観客は観ることになるので、メアリーの姿にも少し怖さを感じました。また、ジャックはアダムを守りながらメアリーを救おうと行動しており、彼のメアリーへの愛情を感じて、観ていて救いを求めてしまいました。

ラストは非常に嫌らしい終わり方で、ホラー作品ならではだと思いました。

オカルトホラーであり、それでいてサイコホラーな一面を加えることで真相を掴ませないストーリーになっていて、なかなか怖くて面白かったです。

鑑賞日:2024年8月2日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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