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生きてるだけで、愛。のmeのネタバレレビュー・内容・結末

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2019/02/02アップリンク渋谷にて
鑑賞3回目にしてやっと原作から離れて見ることが出来た
映画館の雰囲気と映画がとても合っていて心地良かったからかもしれない

寧子「私は私と別れられない」の言葉を聞く津奈木の表情にぐっときた
寧子が自分と別れられないように
津奈木も自分と別れる事は出来ない
「俺も俺と別れられないんだよ」
と言っているような…
決して津奈木だって自分の事が好きだったわけじゃない
寧子はよく喋るなぁ〜
こんなに吐き出せたらどんなにいいだろうか…

最後の
「お前の事もっと分かりたかったよ」
もし寧子の事が理解出来たら今の自分とは違う自分になれていただろうか…
全ての出来事に流され続ける自分とは違う自分に…
そう考えると逆に寧子が聖母のようにも見えた

隣の20代の男の子が退社する津奈木の独白の所から身を乗り出して見ていたんだよね
なにか刺さるものがあったのかな

2018/10/21 1回目
原作好きとしては
映画は原作とは全く別のお話でした
これはこれでいいんだろうけど…
私の好きな寧子ではなかったな…

かぐや姫のように走り
ラストのレゴンシーレみたいな
趣里ちゃんは
芸術的な美しさがあった

でもこの監督はなんでこの作品を映画にしたいと思ったんだろう…
寧子の事かわいいと思ったことあるのかな…
私が原作で面白いと思った部分はほぼ排除されてたから…
原作は
今はニートで過眠症だけど
90’s雑誌キューティみたいな
岡崎京子的トリッキーで
芸術的で文学的な毒舌が最高に面白い寧子

葛飾北斎とフードファイター小林尊と松岡修造と相田みつをと7人の小人像を同じベクトルからdisれるセンス
安部公房の本を大事に思ってる津奈木を分かってる寧子
そういう所がすきだったのよね〜
津奈木もそれが寧子と離れられない理由だと思うんだけどな…
そして
未来のJR社員のモノマネをしたり
環八を毛細血管に例える津奈木がすごく好きだった

こんな生きづらさを辛い辛いって言ってたって始まらない
自虐と笑いに変えて突き進んで行くしかないじゃん
っていう強烈なパワーを封印してまでも映し出したい何かが私には分からなかった

でも津奈木の仕草や行動は優しくてすぐ勘違いしちゃいそうになる
津奈木の「ご飯買ってきたよ」という声がいつも優しい。ブレーカーが落ちて宥める津奈木の手のトントンは本当に安心できると思う 。大好きだった
働いたカフェの場所だってたいして話してないのに来てくれるし
服脱ぎ散らかして全裸で走ってたって急に現れてくれる…王子様だよ(笑)
無理なのかなぁ〜津奈木〜

趣里ちゃんも
おとぎ話から大好きな役者さん
役の人を観客に私事にさせる力がすごい。私は完全に寧子として映画を見てたから津奈木に優しくされたいって思ったし寧子がダメダメで狂っていくのがやりきれなかったのかもしれない

だって原作はちゃんと最初バイトしてるし、布団に引きこもってるの20日位だし
家賃だって2割出してるし
ジュース買う時には津奈木お金要求するんだよ
って寧子愛がすごいから言い訳ばっかりしたくなっちゃうw

でも言いたい事言えなかったリ
理不尽な事要求されたり
っていう大人の男の人にすごく響いてるみたいだから
旦那に見せてみたいと思う
めっちゃ共感されたらどうしようだけども

追記
アンペアを下げられない女と
アンペアを上げない男が
電気のない世界では唯一繋がれてるようなラストなのかな…
でもそんな世界なんて日本ではまず無理なわけで…
退職金でどっか行こうかねw

あと好きな所✨✨
寧子は寝てる時と津奈木の腕の中にいる時が抜群にかわいい
クリムトの絵の女の子みたいだった
きっと安心してるんだなぁ〜って思った
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