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生きてるだけで、愛。のmoのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
4.5

『本当はちゃんと、わかりたかったよ』


鬱から過眠症を患う無職の寧子は同棲中の彼氏、津奈木の収入に依存した生活を送っている。
しかし寧子の前に津奈木の元カノが現れ、2人を引き離そうと寧子に仕事を紹介。
その日から、寧子と津奈木の関係に少しずつ変化が生じていく。


がんばれ、がんばれ。
ずっと、ずーっと、そう思いながら観ていた。

頑張りたいって思うときほど空回りするの。
寂しいけど「寂しいのよね」って他人に言われたら少し不快。
周りがいい人であればあるほど、自分の欠点が浮かんで見えて恥ずかしくて。
周囲に気を許さないかわりに、心を許してる人にはつい求めすぎてしまう。


寧子は弱い心の具現。
みんな少なからず寧子のような本音を隠しながら生きてると私は思ってる。
そしてそんな本音を押し殺して、自己完結して、津奈木みたいに自我を保ってる人も、きっとたくさんいるはずだ。


わかりたかったよ、って言われるだけできっと嬉しい。
その言葉に嘘がないってわかる。
だって誰も、完璧にわかり合うことなんてできないから。
寧子はきっと、この言葉に支えられながら生きていく。
この言葉に絶望しながら、だけど同時に希望も感じながら、生きていくんだなと思った。


頑張れ、寧子。
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