つん

生きてるだけで、愛。のつんのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
3.7
鬱の描写が本当に上手。過眠とか不安とか双極性や衝動的な行動含めて。
原作を読んでいないのだけど、原作からしてそうなのかしら?
同じ状態になる者としては、わざわざ映画で観たくなかったし、原作も読む気は起きないけれど。
鬱の人、他人に対して口だけは達者で自分の行動はクソよね。
本当にうっとおしくて面倒くさいんだけど、1番うっとおしく感じてるのが本人なんだってことが伝わる内容だと思う。

「あたしと別れられていいなぁ」
これに尽きる。

周りに迷惑かけることも自らやりたくないことをしてしまうことも、自分の感情と行動が一致しない故に、なんで??としか思えない辛さが表現されてたと思う。。
けど、当事者あるあるだからわかるだけなのかな。

バイト先のすごく良い人たち。
一般の方の考えで、引きこもりと鬱は似たようなもんだったり、寂しかったから鬱になったり、という解釈もリアルだと感じた。
それに正論しか言ってないから、あの人達は絶対に悪くない。
ふとしたキッカケで崩れてしまうのは、人の優しさを施しのように感じてしまう劣等感があるのかも知れないなぁ。
安堂さんは、社会の怖さを具現化した人。
仲里依紗がはまり役すぎてた!

とにかく、近くにいてくれる人が1番大変で、相手も引きずりこまれたり、共依存になったり。。
この作品では、寧子が少し回復してくると、パワーバランスじゃないけど、津奈木との関係性が崩れていくように思えたので、共依存の関係になっていたように思う。


迷惑をかけないようにできるだけ、人と関わらないようにしよう。というのが、解決策だと思っているのだけど、この映画を観てさらに確信した。
そして、自分の立場をかえりみて、近くにいる人にめちゃくちゃ気持ちがわいてきて、胸が苦しくなった。
つん

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