Akiyoshi

ゴールデンスランバーのAkiyoshiのレビュー・感想・評価

ゴールデンスランバー(2017年製作の映画)
3.8
2010年に堺雅人主演で映画化された伊坂幸太郎の小説ゴールデンスランバーの韓国リメイク。韓国では比較的有名なキャストによる力と、日本よりも韓国の方が現実味があるように感じた良作。

大統領候補暗殺犯に仕立てられた一般市民の逃亡劇。証拠隠滅・情報操作等により、「国」そのものが敵になり、疑心暗鬼になる主人公。家族や友人も含め誰を信じたらいいのか、逃げ切ることはできるのか。

原作に感銘を受けた主演のカン・ドンウォンが、自ら映画会社に製作をオファー。7年の歳月を経て実現させた。だからこそ気合いの入った作品になっており、アブノーマルなシチュエーションに放り込まれた善良な普通の市民の困惑をカン・ドンウォンが見事に演じている。

原作とは異なるラストや、アクションシーンも多く、韓国らしさがこういうことなのかなぁと感じられる。とにかく主人公のゴヌが「ただのいいやつ」なのがじわりじわりと効いてくる。放っておけないやつでもあり、助けたくなる。そんな主人公が貶められるのだから不条理である。
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