風来坊

ゴールデンスランバーの風来坊のレビュー・感想・評価

ゴールデンスランバー(2017年製作の映画)
3.0
バイオレンス映画に関しては独自のスタイルを確立している韓国映画。
リメイクにも定評があるけれど、こと日本映画や日本原作のリメイクや映画化は「容疑者Xの献身」や「凍える牙」などを観るとちょっと苦手なのかなと思う。オリジナルをを超えた作品に私はまだ出会っていません。

主人公役のカン・ドンウォンさんですが、だいぶ日本版の堺さんに寄せた役作りをしていると思います。チェイスシーンやアクションシーンはやっぱり韓国映画でスピードと迫力があってこちらが勝る。

人間ドラマ部分は大学時代の同級生とのエピソードに集約されていて、ロックだなの職場の先輩やバイクを借りた人や通り魔キルオ等とのエピソードがあった日本版とは違い人間ドラマ部分は薄味。人間ドラマの重厚さは日本版の方が上に感じました。アイドルとの絡みも少なくて残念。

ヒロイン勝負も日本版の竹内結子さんに軍配が上がる。韓国版もそれなりに魅力はありますが、主人公が惹かれる包み込むような優しさが足りない気がします…。

日本版のラストは結局は何も解決していないんだけど、それを忘れさせるような秀逸なラストでしたが、韓国版は曖昧なのが嫌でハッキリ解決したかったのでしょうけど…何と言うか余韻が無い。

日本版はサスペンスフルな展開でありながら人間の絆などのドラマ性を重視している感じでしたが、韓国版はドラマ性を少し削ってサスペンスアクションに傾いているような印象。

これはこれで面白いのですが、ゴールデンスランバーに関しては日本版の方が私は好きですね。
風来坊

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