このレビューはネタバレを含みます
自宅で。
2019年の韓国映画。
監督は「俺たちの明日」のノ・ドンソク。
あらすじ
アイドル歌手を強盗から救い出し、一躍時の人となった、優しく誠実な宅配ドライバーのゴヌ(カン・ドンウォン「人狼」)は、ある日旧友のムヨン(ユン・ゲサン「犯罪都市」)と再会するが、目の前で次期大統領候補が暗殺される場面に出くわしてしまう。動揺するゴヌにムヨンは「お前を暗殺犯に仕立てるのが狙いだ」と告げ、自爆。ゴヌはその瞬間から無数の人たちに訳もわからず狙われることになる。
伊坂幸太郎の原作小説の実写化といえば、2010年の堺雅人主演作が有名だが、本作はその韓国版。
これリメイクするかぁと思ったんだけど、よくよく考えるとプロットだけ見てもなかなかのエンタメ大作的な話なわけで納得。
主演を務めるのは個人的には「超能力者」のヒールの役のイメージが強い、カン・ドンウォン。
目力強めなイケメンな顔立ちなんだけど、本作で演じたゴヌには違和感が…あれ、なんかこんな顔だっけ?と思ったら他の人のレビュー観たら、なんと眼力・ドンウォン、日本版の堺雅人を真似ているらしい、なるほど!確かになんか泣き笑いみたいな表情してるわ、日本人は堺雅人の演技に違和感を覚えないけど、他の人が演じるとこうも違和感があるとわなw
話は、小説版、邦画版に沿った話運びだが、両者と異なり、ゴヌを助けるキャラクターが少なくなっているのが特徴。ただ、個人的にはこの改変はマイナスかなぁ、ゴヌが今まで助けた人が四面楚歌の状況下の中で今度はゴヌを助けるっていう点が面白い自分にとっては物足りない。
ただ、その分ゴヌ自身にスポットを当てて、サスペンスフルなアクションが展開されていく。ここら辺は韓国映画らしいスリリングさもあってそれなりに退屈しない。
けど、まぁこれは邦画版にも言えることなんだけど、ドラマ性がなんというか甘ったるいというか安っぽいというか、「ゴールデンスランバー」というビートルズの1分31秒の曲から無理に音楽要素を引っ張ってきた感じもあって、なんか上手くない。
また、この韓国版の歌がこれまた非常に安っぽくて、回想シーンではそれなりにオッサンなドンウォンたちが青年時代を演じていて、なんか80年代のメロドラマかカラオケの映像みたいな安っぽさが失笑していいのかなんなんか…。
結末はなかなかに衝撃的だった邦画版と比べるといくらか救いのある結末ではあったけど、微妙な部類の韓国映画を観たっていう余韻が正直なところだった。
ヒロインを演じた「監視者たち」からのファンのハン・ヒョジュも髪型が微妙なせいでその可愛さも薄まっちゃってたし…。
うーん、もうここまできたらアメリカ版とかも作っちゃって比較してみたい、題材は良いと思うんだけどなぁ!!