Rena

父、帰るのRenaのレビュー・感想・評価

父、帰る(2003年製作の映画)
3.5
弟 イワンの鋭く賢そうなまなざし
兄 アンドレイの人懐っこくも、またどこか窺うようにも見えるまなざし
そして、口数が少なく力ずくに走る厳格な父

写真の記憶しかない父親が、12年ぶりに突然帰ってきた。

戸惑い 親近感 好奇心 疑問

入り乱れる様々な感情を抱えたまま
打ち解ける間もなく、父の提案によって3人で遠出をすることに...

そんな父に対して兄は比較的従順に接するのですが、弟はこの新しい状況をなかなか受け入れることができず、つい反抗的な態度をとってしまいます。

父と関係を築きつつある兄 と 心を許すことができない弟

対照的な兄弟でどこか弟の方が主導権を握っているように感じましたが、終盤に様相が一変します。
この逆転が本当に見事でした。

観終わった直後は、ところどころで怪しい雰囲気を出し、まただいぶ厳しい態度をとっていた父親の行動が理解出来ず もやもやしていましたが、これが不器用な彼なりの "やり方・示し方" だったのかなぁ...と少しずつ考えられるように。
ただ しばらくするとそんなことよりも、この3人の演技の凄さがじわじわきだして、私の中で作品に対する評価が変わっていきました。

まさに迫真
リアリティーがありすぎて、演技が演技に見えなかったです。
Rena

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