よしおか

父、帰るのよしおかのレビュー・感想・評価

父、帰る(2003年製作の映画)
4.4
父親の目的とは?

父親にとって、そして私たちにとって子供とは何なのか。

弟に伝えたかったことは、男らしさだけではないと思うし、子供を愛していた事は間違いないと思う。
父親の最後の必死さが物語っていると思う。

でもそれは、父親のみが知ることである。箱の中身と同じように。

そういえば、父親はキリストのような格好してたな。
・兄弟が家に帰った時、父親は青い布団を掛けて、キリストのような格好で眠っていた。
・最後も、船の上でキリストのような格好で眠っていた。

映像的にも、一瞬モノクロだったかと思う頃に現れる鮮やかな青の色彩、父が寝ている時に掛けていた布団や海の青が眩しかった。

役者の演技もいいし、緊張感ある静かな映画だけど、この空気を心地よく作れるのは素晴らしい事だと思う。

ただ長回ししているだけの映画ではない。
重い空気でも退屈ではなく、難しいのに思考停止しない。

箱の中身や父親の行動の意図など気になる事はたくさんあるけど、もう一度観てもわからないかもしれない。

でも、考え過ぎと言われても、私はもう一度この映画を観ると思う。
よしおか

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