ペコリンゴ

旅するダンボールのペコリンゴのレビュー・感想・評価

旅するダンボール(2018年製作の映画)
4.0
記録。
誰かのゴミはほかの誰かの宝物。

元電通社員の段ボールアーティスト島津冬樹の活動を追ったドキュメンタリー。これはここ数ヶ月で観たドキュメンタリー映画のなかで一番好きかもしれない。思いのほか良作。

中々にキャッチーなタイトルは別に奇をてらったものではない。むしろこれほどストレートなものは他に無いということが分かってくるだろう。

つまりこういう事だ。

ビビっとキた段ボールを見つけては財布として、新たな生を吹き込む島津。本作で彼の直感に熱く訴えかけてきたのはとあるジャガイモの段ボール箱。

ポップなレタリングと可愛いジャガイモのキャラクター。島津はこの段ボールのルーツを知るため「里帰り」と称し、ダンボール財布を片手に旅に出る…。

“potato”も読めない(ポタトとか言っちゃうw)島津が何故こんなに輝いて見えるのか。それはきっと純粋に自分が好きなことだけを楽しんで実践しているから。要するに多くの人がしたくても出来ないことを平然とやってのけてるからだと思う。そこにシビれる!憧れるゥ!ってやつだ。

そして、やはりというか「里帰り」はスンナリとは終わらない。何せ古いものだ。そう簡単にルーツは見つからない。実際、本作も完成までに3年もの月日を費やしたらしい。

結構ホロっとさせられる一幕もあったりで、意外と侮れない一本。