小僧

愛しのアイリーンの小僧のレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
3.6
40代独身男の岩男がなんかもうあまりに拗らせ過ぎててダメ男感満載、フィリピンから連れて帰ってきた嫁のアイリーンがものすごく健気で頑張っているのに愛情の向け方があまりにも下品で下手でちょいイラァ
岩男の母親も岩男への愛情深さがもはや毒すぎてアイリーンへの精神攻撃が怖い。なのに負けじと明るく元気に振る舞うアイリーンがまた可愛くて愛おしい。もはや誰かアイリーンを守ってあげてくれー!な気持ちだった。
その点福士誠治の立ち位置はオイシイ、ペラペラの英語でアイリーンに優しく手を差し伸べるお寺の住職。これは良イケメン。
対して言葉巧みにアイリーンや岩男母に近寄る怪しい甘マスク売春斡旋ヤクザ男、伊勢谷友介。悪イケメン。
ある事件をきっかけに精神崩壊した岩男が愛情を剥き出しにする様子は鬼気迫るものがあって怖かったしなかなかの鬱展開だった。
色んな人間の醜くて汚い部分が露わになっているのがすごく印象深くて、それぞれの人物像に加えて放送禁止用語が連呼されたり攻めた描写が多い。でもそんなドギツい中で純粋な愛情とか母の過去を見せる演出は急に心に刺さったりするので最終的に何かヘビーだけど刺激的なもの観たなって気持ちになった。
それにしても安田さんと木野花さんの迫力恐るべし…日本アカデミー賞取れるレベルだと思うんだけども…
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