ぱるみ

愛しのアイリーンのぱるみのネタバレレビュー・内容・結末

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

新井英樹氏の漫画は、ちゃんと読んだことがなくて、漫画好きの兄は、新井英樹さんの作品を集めている

『ワールドイズマイン』は、傑作らしいのだが、車の中で女性をレイプしてる場面があり、少し抵抗があった。

『キーチ』に『リン』だったかな?ボクシングの漫画。登場人物達の吐くセリフが生々しい。そのセリフを追うのが、堪らなく楽しいんだ。と。
兄いわく。

新井さんの作品には、なんとなく、お金に困窮してる人達が、描かれている。庶民とゆーか…

この『愛しのアイリーン』
冒頭から、ハマった。あ、私、これ好きな作品だ。飽きずに観れるって。

監督の吉田恵輔氏は、毒を持ってる監督だと思う。俺は綺麗事を映画の中に残さないよって。

生臭さが、ひしひしと、泥深く感じる作品だった。

独身の40そこらの男の、生々しい性欲。
アイリーンは、性欲を岩男からぶつけられそうになる

『おまんこさせろぉー!!!』

でも、安田顕は、アイリーンを、不器用にも大切にしていた

乱暴に抱かずに、最初はね…(ムスコギンギンだったけれど)
『いつまで、お前は生理なんだよ』

彼は、紳士だったって思うよ。

アイリーンのことを妻として、一人の女性として接しようと、努力していた。

歯車が狂いだしたのは、伊勢谷友介演じるヤクザを、銃で殺めてしまったこと。

あーぁ……そんな展開は、期待してなかった。
その展開は、嫌だ。ただ苦しいだけだ。
銃が、倒れてる岩男の側にあることに嫌な予感が的中。

血は見たくは、なかったのだ。

岩男の母親演じる木野花さん、渾身の演技に魅入りました。
アイリーンに対する差別を、醜態を晒して見事に表現されていた。
何度か流産して、やっと授かることができた一人息子を溺愛している。


切ない。悲しい。
差別って、偏見って、虚しい。


お金を稼ぐ為に、日本人のおっさんの欲望の捌け口に、その美しい身体を売るフィリピンの女性もいるわけで。

アイリーンは、子供が身篭ったというのは
嘘だったのかしら?


岩男は、アイリーンを愛してた。
お金で、愛情を買ったんじゃない。

追記
この作品を見てると、崔洋一監督作品の
『月はどっちにでている』
を思い出した。
ぱるみ

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