Yuri

愛しのアイリーンのYuriのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
5.0
3人それぞれの愛し愛されたい形が違っていて、一方通行な筈なのに、その想いが溢れ過ぎて化学反応を起こす瞬間が何度もあり、号泣でした(;_;)最高。最高の愛の物語です(*^▽^*) 吉田監督の容赦の無さの中にも登場人物への愛がある眼差しが大好きです。剥き出しの愛は、時に他人だけでなく自分すらもズタボロに切り刻みます。普段はその事実を見ないように近付かないようにしているけど、痛いほどに真正面からぶつけてくる作品。ダメージ半端ないけど、大好きだなぁ(*´∇`*) 吉田監督は女の子を可愛く撮る天才でもあるけど、ナッツ・シトイは特に綺麗な訳じゃないから今回はどうかなと思いましたが、アイリーン可愛い!したたかさと岩男の心を解かす天使みたいな無邪気さや、他人に対して親が子を慕うような、拒絶されても何度も何度もぶつかっていく深い愛に泣かされました。昔の日本女性のような感じで、今の日本にはこういう女性は少ないだろうなぁと感じました。地方都市の異常な閉塞感や差別や偏見、普段、私たちが見ないようにしている日本の暗たる部分もギュウギュウに織り込まれてます。原作の下ネタのエグさが映像だとそんなに感じないのは、実際こういう人たちが溢れるほどいて、リアルな日常だからだと思いました。無意識に人を虐げる人間にはなりたくないな。安田さんの岩男は、原作と全然風貌が違うのに、観る前から期待感しかなく、やはり彼の持つ変態性と哀愁、滲み出る狂気と優しさが余すことなく岩男でした(*^▽^*) 気持ち悪い筈なのに最高に格好良かったです(笑)木野花さんの母という鬼女ぶりも凄まじい!人間の表情を超越していたし、ラストの咆哮はもう岩男への愛がスパークして号泣。岩男との距離感は小学生の親みたいでおかしいけど、母親の普遍的な愛が痛いほど伝わってきました(;△;) 前半は笑って、後半になるにつれどんどん切なく、歪な愛が積み重なり、見事に昇華させています。見えない何かを純度100%まで突き詰めて美しく結晶化した名作(*^¬^*)
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