安田顕の「おま○こ!」の連呼がシュールでした。シリアスな展開でも急に笑わせてくるこの監督のスタイル嫌いじゃない。犬猿でも思ったのですがユーモアのセンスがいいですね。
今作はこれまでの作品と同様、基本的に暴力!金!セックス!の描写が多く、また人間のどす黒い部分を描きまくっているのでもう登場人物全員と関わりたくない!という感じでした。しかも展開も二転三転してフィリピンから女性を買ってきたという設定がどう転んだらこうなるんだ、というようなハラハラを通り越した度肝を抜かれる展開のオンパレードでした。そのせいか途中からもうお腹いっぱいになってんですがそれでもなお、「お前、これでも食えよ!!」と無理矢理過激なシーンを口の中に押し付けられてる感覚でした。
全体としては人種差別、性差別を含んだ閉鎖的なムラ社会を上手く描きつつも暗い映画にならないように仕立て上げたという印象。
結局お金目当てでも家族を幸せにしたい、ただ愛情を抱かない人とは性行為を行わないと宣言したアイリーンが実はずる賢いように見えて、その場のしのぎの欲望を満たそうとする岩男、愛子始めとする登場人物よりもよほどプラトニックな感情を持っていたいう皮肉が効いてて好きでした。