愛しのアイリーンの作品情報・感想・評価

「愛しのアイリーン」に投稿された感想・評価

k2

k2の感想・評価

3.8

【何でもする?。。心も売れるか?】

「イワオ」はフィリピンでアイリーンと出会い、「秒」で結婚する。

彼は「体」と「満たされた心」を求め、
彼女は「家族を守るための金」と「優しさ」を求めた。

吉田恵輔監督。。。
【ヒメアノール】と同じように前半と後半でガラッと雰囲気を変えてきましたね。


【子供が一番大事。分別では語れない。】

これは、イワオの母が切実に語った言葉。

彼女が、我が子を想う。。。不器用だけど一直線な生き方が。。。

狂気の展開へと突入していった。


ーーー木野花。。。びっくりした。迫真すぎてひれ伏してしまった。

ーーー安田顕。。。前半の無気力ぶりと後半の「腹をくくった」顔付きのギャップをこなせるのは。。。彼ぐらいか。
素晴らしいです。


そして、アイリーン。

こんな日本だけど。。。
こんな現実を垣間見せられたけど。。。

君を愛した者がいたことは。。。
忘れないでいてほしい。
非常に悲しい悲しい映画。ほぼ救われそうになると、また崖がある。沈む。
テーマは愛だけども、それ踏み潰すほどの悲しみ。原作漫画そのものは読んでないけど、新井英樹感はある。
馮美梅

馮美梅の感想・評価

3.2
40歳過ぎても女性に奥手な主人公岩男、母は岩男を溺愛しすぎてそこらの女性では満足できないことも原因か…

何を思ったか岩男はフィリピンでのお見合い旅行でアイリーンという女性と結婚して帰国。ちょうどその日は父の葬式の日だった。

アイリーンは家族を養うために岩男と結婚した。
いつもニコニコ無邪気なアイリーンだけど、体はなかなか許さない。
岩男も悶々としながらも少しずつアイリーンに対して愛情を感じ始めるけれど…

中盤以降の岩男のアイリーンに対する執拗なくらいな執着、でもそれに反して、以前好きだった愛子に対してももう滅茶苦茶。そして岩男の母も常軌を逸してる。そんな2人に挟まれたアイリーン。岩男を少しずつ愛し始めているのに、噛み合わない感じが切なくて、そして岩男の最期、自分に対する愛を感じるアイリーンが切ないし、寒いからと布団をもってかけてあげるって一見それよりもまず警察呼んだ方がいいんじゃないと思っちゃう自分( 一一)

母の方も狂ったかのようになってるし、死んでいる岩男を見てショックを受ける。母の人生も壮絶だっただろう。子宝に恵まれてもすぐ死んでしまったりで、その中で最後に生まれた岩男を必死で守り育てたんだろう、だからこそ、母として色んな思いもあったんだろうけど、それは果たして岩男にとってどうだったんだろう…

でも、だからこそアイリーンと出会いはどうであれ、愛することができたんだろうね。アイリーンも心を岩男さんにあげることができたかな。

しかし、新井先生のこの作品も「宮本から君へ」と同じくらい不器用な人間たちを描いてて、それを役者さんたちも食らいつくように演じられていました。
KRSK

KRSKの感想・評価

3.8
ちゃんと心構えしてからじゃないとタイヘンそうだなと思ってたんだけど、やっぱりそうでした。でもちょっと強烈だったり、痛快だったりっていうのは吉田監督ならでは。あとキャスティングの妙も。机のなかみ、くらいからひと通り見直したくなった。
そーだ

そーだの感想・評価

3.4
最初はうまく行かなかったけど、
だんだんと幸せになっていく
ほのぼの国際結婚映画かと思ったら、
途中からとんでもない展開になってしまった。
ってか、かーちゃんが猟銃持ち出したところから
もうすでにおかしかったのか。

あー、もうちょっとホンワカする映画だと
期待したんだけどなー。
登場人物全部クズじゃんか。

フィリピンまで嫁貰いに行ったんなら愛せよ。
幸せにしてやれよ。
アイリーンが「心までは売ってない」って言って、
それはどういう意味だ?と考えたら分かったよ。
金で嫁を買っても愛してもくれない相手とは
形上、書類上は夫婦になっても
体を許したりしない、っていう意味だ。

主人公がクズの上に、
物語の終わりを待たずに死んじゃって、
あとどうすんの?と思ってたらあとそうなったか。

救いのない映画だ。
今の自分が観たい映画ではなかったな。
面白かったのかどうなのかもちょっとビミョウだ。
YUKI

YUKIの感想・評価

3.5
42歳、フィリピンで嫁を買った男。
原作未読、予備知識なしで鑑賞したので前半は甘口かと思いきや後半は激辛のシリアスドラマに変わり高低差すごくて耳キーンなるわ!
登場人物が殆ど可愛げがないのだけど、彼らは彼らなりのプライドがありクソババアはクソババア然としているし虫けらは虫けら然としているし我が岩男はオ○ンコを求め続けている。
それを絶対覆す事はない気迫を感じてしんどくなってしまいました。
アイリーンの明るさが救い。
そして昔、友人が姥捨山の事を間違えてひょっこり島と言っていた事を思い出しました。
QHEY

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3.9
人生は主観だ。
結局は自分、自慰行為。
日々膨大に消費される欲望がほんの少しだけでも他者の幸せに向けられた時、それが繋がった時、たとえ遅すぎたとしてもその刹那、人生は輝く。それは何物にも代え難い。
監督が人間の何を気持ち悪いと思っているのか、醜いと思っているか、面白いと思っているか、そして美しいと思っているか。
アイリーンを取り巻く世界はそんな感情で形作られる。
次男

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4.1
久しぶりにこんな「暴力的な情熱とカロリーで作られたであろう映画」を観て、ちょっといま頭痛がすごい。変な例えだけど、例えば僕が映画監督になりたいとして、大金と権力を持った誰かに「よし、きみ!映画を撮らせてあげよう。『愛しのアイリーン』を撮るのだ」と言われたとして、200%断るし、映画監督になるのも諦めたくなるような、そんな映画だった。ってどういうことだよ。我ながら例えがひどい。

センスとか気持ちとかそういう何かでは出来得ないんじゃないのかなこれ。観るからに大変だもんこんなの。選択肢の無い、純粋な変態性でしか、こんなものは作れない。

◆◆

それはもちろん役者の皆様方にも当てはまることで。

「彼女がその名を知らない鳥たち」で綺麗さが残ってた(と僕は感じてしまった)阿部サダヲさんを歯牙にも掛けないレベルで汚すぎる安田顕さん。アイリーンそのもののナッツ・シトイさん。芝居モンスターの木野花さん。どうしてここまで、どうしてここまでできるの!これが撮り終わったら死ぬの?これが最後の仕事なの?そんな気概すら感じる熱量。ヒトとしてこええよ。

河井青葉さんも素敵だったなあ。ディオンヌ・モンサントさんの美しさと凛も。左時枝さんや桜まゆみさんまで、脇の皆さままで素晴らしすぎた。

◆◆

なんかこう、遠い話のようだけど、可能性としてはありありというか、「こういう可能性すらある生き物」であることを、突き付けられたな。大人しく物分かりよくこじんまりとまとまって僕は生きているしそれを逸するつもりもすっかりなくなっちゃって、優等生なワンオブゼムをやらさせてもろてますけども、こうなる可能性のある生物であることは僕も変わらないわけで。その性質も、システムとしてのどん詰まりも、ありえるということで。

アイリーン!!
強く生きてアイリーン。そう思わないではいられないラストシーン。アイリーン。僕はこの生き様に引いてしまうよ申し訳ない。それでも生きるんだろうなあ。アイリーン。
この映画の中には普通の人、普通の結婚、普通の愛と言われるようなものは描かれておらず、歪んだ人、歪んだ結婚、歪んだ愛が物語を動かしていく。でもそんな歪みきったものが何よりも純粋に映る、そんな瞬間がこの映画にはあった。

新井英樹の作品には共通して「常識への反抗」が描かれていると思う。常識や普通という枠組みで全てを測ろうとする社会への徹底した異議申し立てが作品の中を流れている。だからどの作品も読者の価値観を揺さぶり、今もなお多くのファンの心を掴んで離さない。

映画化、残りはワールドイズマインだけだ。
俺にとっての人生ベスト漫画である新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』を再び映画化する際は、ご一報ください。
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