ゆーさく

パンク侍、斬られて候のゆーさくのネタバレレビュー・内容・結末

パンク侍、斬られて候(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

猿が言葉を操り、浅野忠信は狂気を身に纏い、東出昌大はセリフの抑揚を捨て去る!

物語や舞台設定のルールをたびたび無視しては、突拍子もなく、説明もあまりなく、ただただその場しのぎで話が転がっていってるような作りの映画。
面白いけど、真面目に意図を汲もうとすると煙に巻かれる。

無軌道で無意味で無秩序な展開だけど、そのカオスの中で楽しみをちょびちょび見出だしながら観賞していくような映画。
役者は皆ハマってる。
猿がナレーションでたくさん補足説明入れてくるけど、結構ええ声で聴き心地良いからよし。
てかナレーション無いと何やってるか分からん絵面ばっかりやから、逆にナレーションの多さは救い。


北川景子演じるロンの行動理念が、このメチャクチャな世界の中で唯一ちゃんとしてる。
この世は無意味、偽物と言いながら「父親の仇」という小さな因果に拘るのは「ムカつくから」。
自分の気持ちだけを考えて生きれば世界はシンプル!
生きてる意味ってなんなの、本当の自分はどこにいるの、なんで俺今こんな事やってるんだろう、とかフワフワ考え込むようなヤツは世の中に負ける!ということ。
こんな世の中だから絶対に譲れないもんがあんのよ、というラストのセリフは結構刺さるモノがあった。



教祖様の人形がガチャガチャ動き回るだけの、地獄のひょっこりひょうたん島みたいなエンドロール映像はなかなかにアナーキーだった。
ゆーさく

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