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馬の骨のtoshiのレビュー・感想・評価

馬の骨(2018年製作の映画)
4.8
レビュー数からご覧になられた方も少なそうで、評価もそれ程高くはない今作。でもコレかなりな良作ではないでしょうか。音楽そして元イカ天バンドという設定が私的には贔屓目なのかもしれませんが、それ抜きにしても映画作品として素晴らしいと思いました。
イカ天に実際出演し完奏したバンド「馬の骨」。そのVoだった桐生コウジさんが監督、脚本、主演を行った今作。桐生さんは今作では熊田という役を演じますが、バンド名は馬の骨をそのまま起用です。

30年ほど前イカすバンド天国で賞も受賞しこれから軌道に乗ると思った馬の骨。でもイカ天出場バンドでありがちな色物的バンドで、実力バンドではない為すぐに世の中から忘れられてしまう・・・。
約30年経った熊田の今は工事作業員。でも現場で同僚と喧嘩し解雇となります。社員寮も追い出されたため総武線松尾駅最寄りの安いシェアハウスへお引越し。そこで地下アイドルのユカと出合う。ユカはアイドルグループの中で浮いた存在で、でもシンガーソングライターになりたいという夢がありました。そんなユカはじめシェアハウスの住民にお仕事は音楽関係と嘘をついてしまった熊田・・・。でもそのウソとユカの夢の為に馬の骨を再結成させライヴを計画する熊田。ユカ、そして馬の骨は再びスポットライトを浴びる日が来るのでしょうか・・・。

過去のメンバーを集めて再びスタジオに入る・・・。皆老けたけどやっぱりスタジオに入ると楽しそうです。バンドやっている身としてはそんな何気ない今作のシーンがとてもリアルで観ているだけでこっちもニヤニヤしてしまいました。
そしてまだまだ若いユカ。熊田とは親子ぐらいの歳の差でしょうか。でも音楽には年齢も異性も関係ありません。ダメなオッサンと思っていた熊田を見るまなざしは、いつか尊敬というものに変わっていました。
だってユカの曲にあんな事してくれたのですから。大したことではないです。でも自分が作った曲へのあのアドバイスはユカにとってどれだけ心強かったでしょうか。

馬の骨が実際イカ天で完奏した曲「六根清浄」。この曲を映画の中で聴けるなんて。対した曲ではないですw 如何にもイカ天で演奏する曲と言いましょうか。色物バンドはこんな感じの曲が多かった様に思います。
でも今作でこの曲が流れるシーンで泣いてしまいましたw

やっぱり音楽って偉大です。

【余談1】
今作特別出演でイカ天でご活躍されたあの方とあの方が・・・。

【余談2】
馬の骨メンバーだった奥さん役でご出演の粟田麗さん。決して美人ではありませんが一緒にいたら暖かくて優しい気持ちになれそうな雰囲気が好きです。仮面ライダー剣でも橘さんを優しく支えてくれました。今作ライヴハウスのシーンも良かったです。そのシーンにも涙でした。
因みに仮面ライダー繋がりでは鎧武の志田友美さんも今作ご出演でした。
今作ではちょっと嫌な役でしたけどw
更にライダー繋がりではライヴハウスオーナー役の大浦龍宇一さん。ディケイド劇場版にてシャドームーンを見事演じてくれました。

【余談3】
今作公開当時上映館が少なく配信待ちとしたのですが、契約している動画配信サイトでは全く扱われず・・・。でもU-NEXTにはありました。この様な邦画も挙げているところがありがたいです。
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