Risa

トラさん~僕が猫になったワケ~のRisaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

2019年9作品目

どこのレビューアプリ、サイトを見ても高評価だったので、公開前は全く見るつもりなかったけど鑑賞してみた。

事故で急逝したダメダメ夫が、猫となって家族に恩返しする話。

確かに泣けた。内容は難しくないし小さい子でも楽しめるような仕掛けも多い。でも何かが少し足りないような気がしてならなかった。

働かない上にパートの妻に頼ってばかりのだらしないスズオに対しても、ニコニコ笑っていられる奈津子が最初は不思議でならなかった。それが物語に進むにつれ、奈津子のスズオに対する思いが明らかになり、夫婦の絆の強さを実感した。あの多部未華子の涙にはわんわんと泣かされた。あれはズルい。娘役の子も義母と娘のブルースの娘役の子だったとは。そりゃぁ涙が止まりませんよ。


でも心を掴まれたのは、このシーンが唯一だったのではないかな…。


裁判官バカリズムとのやりとりはクスッとするところもあったし、実際の猫のシーンは可愛らしいし要潤もキャラが良い。だけどホワイテストはいったい何者だったの?要潤は休業して結局どうなったの?みゆの赤ちゃんいらないって気持ちは結局?いくつかの疑問が宙ぶらりんで家族円満ハッピーエンドで終わっていった印象だった。

なんだかんだ疑問は残るものの終わり方は結構好き。人間の姿になれたスズオが最後に家族のために漫画を残し、家計を助け、みゆがその続編を継ぐ。今まで家族の重りになっていたスズオができる最大の恩返しだったようにも思う。いやでも言うても、あなた1ヶ月猫やってて指もまともに動かない生活の中で、そんなにブランクがあっても描けるならもっと早く家族のために描きなよ…。


いくつかの「何かの足りなさ」の1つを挙げるなら、日本に多数ある猫映画と重なる部分が多くて既視感たっぷりなのがちょっと物足りなかったかな。原作ものだから仕方ないけど、もっと先の展開がわからないドキドキが欲しかったかな。


ネコマンの最終巻じっくり味わいたかったな…。
Risa

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