このレビューはネタバレを含みます
無声映画だった頃の映画館まわりが題材のコメディ映画。
音がないことをいいことに適当なことをしゃべっていた撮影風景や、弁士はひとりじゃなかったこと。弁士が創作をすることの是非。声色弁士(アニメのアフレコのように登場人物のセリフを複数人の弁士が分担して受け持つスタイルのこと)やら、楽士やらを巧みにストーリーに盛り込んである。
全体としてうまくまとまっているように見えるけど、牽強付会の多いプロットが気になってしまうのも事実。
めちゃくちゃつなげたフィルムのくだりも、説得力が伴っていなかったように思う。(三流弁士が失敗した後、主人公がうまくやるという展開なんだけど、そんなうまくやれてるわけではなくて微妙)
永瀬正敏の実はすごいくだりが、警察のものまねだけだったのはずっこけた。
引き金引いたんだけど弾が出なくて助かったとかどうなんだろう。なんだかんだ引き金を引かせないのがサスペンスだろうにな。頭に銃口向けて、何度も引き金引いているのが怖かった。
コメディ映画ですら、現実的な罰を与えなきゃならないのは、清廉潔白をよしとする現代日本の世相を反映しているようで、いい感じに現実に引き戻してくれる。
気になるところが多いこと含め面白かった。