へんり

来るのへんりのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
2.0
原作「ぼぎわんが、来る」は大好きな小説です。小説ならではの構成の妙と、地方に伝承される怪物「ぼぎわん」を巡る謎解きと都会の一家族の事情が結びつくカタルシス、そして怪しい霊能者が出てきて、まさにやったぜ!な作品です。一番近いと感じたのは白石晃士監督の「ノロイ」です。ともに胡散臭い感じが最高です。リアリティの水準が低く、登場人物の造形も含め、漫画っぽい小説でした。
そんな「ぼぎわん」を映画化した本作では、怪しい地方伝承の部分がほぼカットされています。リアリティの水準を引き下げていた胡散臭い部分が無くなったにも関わらず、怪現象や霊能者が出てくるので、原作よりも世界観に入りにくい作品になっていると感じました。特に松たか子演じる琴子は、原作でもチートキャラなのに、そんな世界観の中で真面目な顔で漫画みたいなことを言わされているのが馬鹿みたいで気の毒でした。「リアル」な世界観になったことで、怪物を直接出さないという改変がされていますが、結果として見世物として物足りなくなったのが残念。いかにも「お化けでござい」というエフェクトがかかった声もダサい。。
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