Hondaカット

来るのHondaカットのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
3.5
71点。原作未読。ホラーというよりエンターテイメント映画!お祓いを、グルーヴと熱さあふれる[見世物]にした感じはとても面白かった。小松菜奈とか、神主軍団とか、松たか子さんのパンチとか、後半は心掴まれる部分も多かった。

しかし、中島監督のトーンとこのお話は圧倒的に食い合わせが悪い。恐ろしかったり、人が死んだりしても、やたらとスタイリッシュに描かれるので、実際起こってるのか、夢っぽいやつかなのかすらわからない。画や演出がファンタジー過ぎて現実味がないのはホラーには致命的。『ヘレディタリー』の1/100くらいの怖さ。

また、ステレオタイプに描かれる芝居が、あまりにベタベタ。そんな事いわないよって台詞や行動、造形し過ぎたキャラが多すぎて、これ、何がどこまでわざとなんだろう…と、全く入り込めない。普通じゃない(へったくそな演出風の)芝居が延々と続くので、終始居心地が悪かった。疲れた。狙いと言われれば、はい、という感じだが、カリカチュアされ過ぎてるのと、まともな瞬間が無いので、狙いなのかすら分からないし、とにかく冗長。

撮影部の皆様お疲れさまでした、というくらい画作りのこだわりは凄いし、よくまあこれだけの物量をこれだけの質で撮っていくな・・・と感心する。邦画にCM的な技量とセンスを持ち込み、長編で成立させ続けてきた中島監督なくして、今の日本の映像業界は無いと思う。

ともかく、終始、監督のドヤ感がみえる。終わり方のやったった感とか、エンドロールでスタッフを視認させないやつとか、なのにオープニングはドラゴンタトゥーのパクりじゃんとか、は、個人的には全く好きになれないです。
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