中島哲也は苦手なんだが、この映画は予告編からちょい期待しちゃった。
イヤーンな心理描写をポップに描く中島節がどうも受け付けないのだが、ホラー映画との相性は良いかもと予想したし、実際良かった。
妻夫木聡と黒木華が夫婦役。妻夫木の演じる夫が、世間体は良くブログで良いパパぶっているが、実は形だけで自分本位。外面だけは良い目立ちたがり。中島チックな嫌な奴だが、こういう無神経な人間にはならないように心掛けないとなと身につまされる。
ホラー描写で、毎回アオムシが出てくる。うぇ。虫苦手なんですけど。
そしてホラーだが、そんなに怖さは無い。
要因の一つは化け物がの描写が、“来る”シーンは描かれるけど、化け物自体のオドロオドロシいビジュアルは一切無いこと。
化け物のビジュアルを最後までオミットしたセンスは流石だわ。
もう一つは後半に松たか子演じる祓い屋・比嘉琴子が登場し、滅茶苦茶ヒロイックなこと。
良いキャラだねぇー。最強霊媒師キャラは燃えるわ。貞子vs伽倻子の常盤経蔵に次ぐ燃え。
しかも琴子や妹真琴が払いに夜マンションに訪れるシーン、必ずモヤがかかってるんだよな（笑）あからさまなエクソシストのオマージュ！
前半の妻夫木のキャラの不快感は中島色が強いが、後半は中島らしくなく逆に面食らったわ。
いや、この意外性も中島テイストなのかも。
しかし最後のオムライス、いる？ああいうパコみたいなファンタジックなシーンも入れたかったのかも知れないが、正直蛇足だったなぁ。
