信じられるのは、痛みだけです
田原秀樹の周囲ではおかしなことが起こっていた。同僚が謎の攻撃を受けたかと思えば、それ以降バケモノの仕業としか言いようのない現象が。親友を通じてオカルトライターの野崎に解決を頼んだ田原は、霊媒師などの力を借りて何とか「バケモノ」を追い払おうとするが...
ホラーっぽい演出と訳わかんない笑えるシーン、少年漫画的なバトルなど、エンタメらしいものは何もかも詰め込んだ作品自体がバケモノ的な一本。
あまりに細かすぎるカット割りやアニメっぽい演出を用いたりするのは好き嫌いが分かれそうだけれど、今回に関しては楽しめました。振り切ってくれるとこちらも気持ちが楽になるというか。「もう好きにやって」という感じでした笑
バケモノは映らず見えずで、大きい音や激しい動きで怖がらせてくるので、びっくりはするけれど心底怖いシーンはありませんでした。個人的には十分という感じでしたが。
表面上の人格とは全く異なる姿を見せる各人物が１つの肝となる訳ですが、ちょっと分かり易過ぎたところも。例えば妻夫木さんがあの軽薄な感じの笑いを浮かべてて、良い旦那さんな訳ないじゃないですか。そういう意味ではもっと反転やギャップのきつい配役で見たかった気もします。他にも「いかにも」な人物がちらほらいて。
そういう意味ではまり役は、柴田理恵さんでしょう。何ですか、いなさそうでいそうなギリギリのバランス。そして活躍っぷり。もう大好きになりました。というか惚れました。
松たか子さんも全力で霊媒師役を楽しむように演じていて、ワクワクしました。こちらはいなさそう、そして漫画なら最強の助っ人という感じで、たまりません。
終盤の加速が、１つの結末へと向かいすぎて若干違和感もありました。もっとぼやかしたり、わかりやすい嫌味を残してくれても良かったのになあ
