だいふく

来るのだいふくのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
3.5
映画は、前半、後半と別れているような展開となります。ちょうど分かれ目としては、主役となる男優が、妻夫木聡→岡田准一に変わるのでわかりやすいです。

まず、妻夫木演じる田原秀樹の章ですが序章的な位置づけです。イクメン気取りで周りから良く見られたい最低なブロガー旦那ですが、かなりひどい有様です。でも、今のご時世こういうタイプの父親て居そうで的を得ています。

それに振り回される、妻の田原香菜です。秀樹の仕打ちにホント可哀そうだなと序盤は思うのですが、すぐにその気持ちは裏切られ彼女もまた何かオカシイのでる…。最終的な、香菜の狂気の沙汰といいますか堕落した人間は凄すぎます。真面目な人間の反動を起こした時の怖さと言いましょうか。演じる黒木華の演技力が、これまた見事に演じ切っているので余計に変化のギャップが怖いです。

そんな中、産まれた子供の知紗は、不幸になる運命なのは必然。

知紗を救うのは、中盤から後半に登場する、岡田准一演じる野崎と小松菜奈演じる比嘉真琴です。登場した時は二人もまたオカシイ部類なのか!?と思わせられるキャラなのですが、過去や自分の境遇に苦悩しつつも、登場人物の中では至極まっとうな人間でした。二人だけ知紗の事をどんなことがあっても守りとおすのです。

そして本作の見どころは、ラストの団体祈祷シーンでしょう。かつてここまで大掛かりな祈祷シーンの映画はあったでしょうか?団地周辺お祭りのごとく霊媒師たちが自らの命を懸けます。

何を除霊するか!?それが最後の最後まで正体不明。

ただただ「来る」のです。

この大スぺクタルな祈祷で目立ったのは、柴田理恵演じる逢坂セツ子です。なんでしょう、命を懸け恐れず祈祷し続ける姿は、凄みを感じました。脇役の中ではとても印象に残るキャラです。柴田理恵の新たな演技というものを見た気がします。

そして、松たかこ演じる比嘉琴子の存在も大きな存在ですね。超大物霊媒師といいましょうか、冷静でかつ大胆そして冷酷に淡々と祈祷して除霊していく姿は、人間を凌駕しています。彼女の何事にも恐れない姿には凄みを感じました。

何が「来る」のかというテーマと共に、人間側の真の悪は誰なのかが見ごたえある、映画でした。いやー、映画館でみたかったなぁと後悔です。きっと見ごたえあったでしょう。