風来坊

来るの風来坊のレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
3.0
原作は全く知らず未読。調べて見ると霊媒師姉妹の活躍を描くシリーズの1作目を映画化したという事。この監督さんの事だから普通のホラーにはしないんだろうなとは予想していましたが予想の斜め上を行きビックリ。

妻夫木聡さん演じる田原の軽薄さとそれに振り回される黒木華さん演じる田原の妻の幸薄さ松たか子さんと小松奈々さん演じる霊媒師の胡散臭さが物語を盛り上げる。

最初からホラーホラーしないで、田原の軽薄さと田原の妻の苦労を描くヒューマンドラマぽい感じが独特。
生き残ると思っていた人がバタバタと退場はしていく展開は予想外でした。
結局、誰が主役だったんだ?という意外さが面白いですね。

この映画ではタバコが感情や情感を表すのに効果的に使われていて、特に黒木華さんの後半のやさぐれ感満載でタバコでストレスを吐き出す感じが印象的。松たか子さんの喫煙姿もキャラクターの貫禄を増しています。

実態的な物を極力見せず、なんか得体の知れない物に付きまとわれている感じが怖い。悪霊の理不尽さも良く伝わって来ます。
でも…途中から急に話の規模が大きくなるのはなんか唐突な感じがしましたね…。

経済的な事情なのかも知れないが、あんな惨劇があった部屋をそのままってあり得なくないですか?自分なら怖すぎて居られないし失禁してしまう(笑)
オムライスは何が何だか分からん(笑)

悪霊とかどうのと平行して、人間の脆さや愚かさも描いている印象。
正統派のホラーとは違うかなと思いますが、独特な切り口のホラーでなかなか楽しめた作品でした。
風来坊

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